知的障害で障害基礎年金2級 20代女性のケース
健常者として生きることを願う両親の判断で療育手帳は取得せず26歳になった女性。
小学校高学年頃から他の子と比べて遅れが目立つようになってきた。
四則計算、漢字の読み書きが満足ができず、中学に入学すると、悪いグループからお金をせびられ、家に招き入れたところ両親の預金通帳やキャッシュカードを盗まれ警察沙汰となった。
知能レベルの遅れだけでなく、判断能力の遅れが顕著であり、自分の行動がどのような結果を招くかがわからず、就職をしても、友人に誘われると遊びに行ってしまい、そのまま辞めてしまう等問題行動が頻繁であった。
日常生活でも、入浴、片づけ等一部をやり忘れ、完全にすることができないという状態であった。
健常者として生きてほしいとの両親の思いから療育手帳も取得していなかったが、26歳となり、やはり通常の日常生活を営むことができないため、手帳を取得し障害年金申請を考えた。
この女性のケースのポイント
- 知的障害であるため、発病日及び初診日は誕生日となる。
- 誕生日からの病歴就労状況等申立書の整備
- 知的障害であり回復見込みがなく、そのため現在受診していなかった。
- 療育手帳B2であり、不支給決定を受けるケースが報告されている。
いかに日常生活が困難かを客観的に論理的な説明を申立書に盛り込んだ。
生まれてからこれまでの状況を両親から詳細に聞き取り、生活の不自由さを伝えられる病歴就労状況等申立書を整備し、同時に医師に経緯と診断書の必要性を説明した書類を作成した。
総括
障害基礎年金2級で認定を受けることができた。
今回の場合は、療育手帳B1でも不支給となる前例があるため、具体的に論理的に「日常生活が困難であること」をアピールしました。
ご本人が申請する場合、どうしても「苦労」「気持ち」が前面に出てしまうため、審査する側は「基準を満たす」判断ができず不支給になってしまいます。