ALSの58歳の主人のことです。障害年金を請求したいのですが受給できますか。
松野 道夫が答えるQ&A
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ALSの58歳の主人のことです。右手は肩から動かず麻痺状態で左手もほぼ上がらない状態で歯磨きも出来なくなっています。また会話がしにくくなっています。歩行も困難で家の中でも車椅子で生活をしています。日常生活のほとんど全てが私の介助を受けている状況です。障害年金を請求したいのですが受給できますか。
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〇本回答は2022年2月現在のものです。
〇ご質問内容から、筋萎縮性側索硬化症のため現時点では、肢体の機能と言語の機能に障害があるものと推察いたします。
肢体の機能と言語の機能の障害の認定基準は、以下の通りです。
肢体の障害の認定基準
【1級】
- 一上肢及び一下肢の用を全く廃したもの…日常生活における動作のすべてが「一人で全くできない場合」又はこれに近い状態
- 四肢の機能に相当程度の障害を残すもの
【2級】
- 一上肢及び一下肢の機能に相当程度の障害を残すもの…日常生活における動作の多くが「一人で全くできない場合」又は日常生活における動作のほとんどが「一人でできるが非常に不自由な場合」
- 四肢に機能障害を残すもの
【3級】
- 一上肢及び一下肢に機能障害を残すもの…日常生活における動作の一部が「一人で全くできない場合」又はほとんどが「一人でできてもやや不自由な場合」
※日常生活における動作と身体機能との関連は、厳密に区別することはできませんが、おおむね次の通りとされています。
【手指の機能】
- つまむ(新聞紙が引き抜けない程度)
- 握る(丸めた週刊誌が引き抜けない程度)
- タオルを絞る(水を切れる程度)
- ひもを結ぶ
【上肢の機能】
- さじで食事をする
- 顔を洗う(顔に手のひらをつける)
- 用便の処置をする(ズボンの前のところに手をやる)
- 用便の処置をする(尻のところに手をやる)
- 上衣の着脱(かぶりシャツを着て脱ぐ)
- 上衣の着脱(ワイシャツを着てボタンをとめる)
【下肢の機能】
- 片足で立つ
- 歩く(屋内)
- 歩く(屋外)
- 立ち上がる
- 階段を上る
- 階段を下りる
音声又は言語障害の認定基準
【2級】
音声又は言語機能に著しい障害を有するもの。具体的には次のいずれかに該当する程度のものをいいます。
- 音声又は言語を喪失するか、又は音声若しくは言語機能障害のため意思を伝達するために身ぶりや書字等の補助動作を必要とするもの
- 4種の語音のうち3種以上が発音不能又は極めて不明瞭なため、日常会話が誰が聞いても理解できないもの
【3級】
- 言語の機能に相当程度の障害を残すもの。具体的には、4種の語音のうち、2種が発音不能又は極めて不明瞭なため日常会話が家族は理解できるが、他人は理解できない程度のものをいう。
4種の語音とは、次のものをいう。
- 口唇音(ま行音、ぱ行音、ば行音等)
- 歯音、歯茎音(さ行、た行、ら行等)
- 歯茎硬口蓋音(しゃ、ちゃ、じゃ等)
- 軟口蓋音(か行音、が行音等)
ご質問内容からは、筋力等の検査成績や日常生活の詳細、発語の状態等が分かりかねますので、等級の判断はいたしかねますが、障害認定日において、認定の対象となる障害が2つ以上ある場合、併合認定によりさらに上位等級に認定される可能性も考えられます。
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