肢体の障害と高次脳機能障害を併せて、障害厚生年金1級にならないでしょうか?
松野 道夫が答えるQ&A
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弟は3年前、脳梗塞で左半身麻痺が残り、外出時は車椅子を使用。
単語が出てこない、記憶障害といった高次脳機能障害も顕著になってきました。
この場合、肢体の障害、高次脳機能障害と併せて1級にならないでしょうか?
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〇本回答は2021年4月現在のものです。
〇肢体の障害と高次脳機能障害は併存することが多く、この場合には、併合認定が行われます。
〇双方が2級に相当する場合は、両方の診断書を取得し申請をすることで、併合認定により1級になる可能性が考えられます。
しかし、双方とも2級に相当しない場合は、併合認定が行われても1級にはなりません。
〇それぞれの認定基準は次の通りです。
参考にしていただき、重い方の診断書のみを取得するか、もしくは双方の診断書を取得するかについてご検討されてはいかがでしょうか。
〇肢体の障害の認定について
肢体の機能の障害の程度は、関節可動域、筋力、巧緻性、速さ、耐久性を考慮し、日常生活における動作の状態から身体機能を総合的に認定されます。
各等級に相当すると認められるものを一部例示すると、以下の通りです。
半身まひの認定基準
【1級】
- 一上肢及び一下肢の用を全く廃したもの…日常生活における動作のすべてが「一人で全くできない場合」又はこれに近い状態
【2級】
- 一上肢及び一下肢の機能に相当程度の障害を残すもの…日常生活における動作の多くが「一人で全くできない場合」又は日常生活における動作のほとんどが「一人でできるが非常に不自由な場合」
【3級】
- 一上肢及び一下肢に機能障害を残すもの…日常生活における動作の一部が「一人で全くできない場合」又はほとんどが「一人でできてもやや不自由な場合」
※日常生活における動作と身体機能との関連は、厳密に区別することはできませんが、おおむね次の通りとされています。
【手指の機能】
- つまむ(新聞紙が引き抜けない程度)
- 握る(丸めた週刊誌が引き抜けない程度)
- タオルを絞る(水を切れる程度)
- ひもを結ぶ
【上肢の機能】
- さじで食事をする
- 顔を洗う(顔に手のひらをつける)
- 用便の処置をする(ズボンの前のところに手をやる)
- 用便の処置をする(尻のところに手をやる)
- 上衣の着脱(かぶりシャツを着て脱ぐ)
- 上衣の着脱(ワイシャツを着てボタンをとめる)
【下肢の機能】
- 片足で立つ
- 歩く(屋内)
- 歩く(屋外)
- 立ち上がる
- 階段を上る
- 階段を下りる
高次脳機能障害の認定基準
【1級】
- 高度の認知障害、高度の人格変化、その他の高度の精神神経症状が著明なため、常時の援助が必要なもの
【2級】
- 認知障害、人格変化、その他の精神神経症状が著明なため、日常生活が著しい制限を受けるもの
【3級】
- 認知障害、人格変化は著しくないが、その他の精神神経症状があり、労働が制限を受けるもの
- 認知障害のため、労働が著しい制限を受けるもの
障害年金の申請について
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