生活が厳しく老齢年金を繰上げ受給しました。障害年金の請求はもうダメなんですか。

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生活が厳しく老齢年金を繰上げ受給しました。障害年金の請求はもうダメなんですか。

松野 道夫が答えるQ&A

松野 道夫

現在61才の父が、4年前に肺がんになり、左の肺を摘出しました。会社も退職せざるを得なくなり、経済的にも厳しくなったので老齢年金を繰上げ受給することにしました。今から障害年金を請求することはできますか。

〇本回答は2020年5月時点のものです。

 

〇障害年金の事後重症請求は、65歳に達する日の前日までに請求することができますが、老齢年金の繰り上げ支給を受けると、65歳に達したとみなされるため、「事後重症請求」ができなくなります。

 

事後重症請求とは、

障害認定日の時点はいずれの障害等級にも該当しなかったものが、その後の傷病の経過から、障害等級に該当する状態に至った場合に請求することを事後重症請求といいます。

 

〇ただし、老齢年金の繰り上げ請求を行った日の前に、その傷病の初診日や障害認定日があり、障害等級に該当する障害の状態にある場合「障害認定日請求」は可能となります。

 

障害認定日請求とは、

初診日から1年6ヶ月経過した日、又は、

それ以前に傷病が治癒した日である障害認定日時点での診断書を取得し、

請求することを障害認定日請求といいます。

 

〇悪性新生物の認定基準は以下の通りです。

 

悪性新生物の認定基準

【1級】

  • 他人の介護がなければ、ほとんど自分の用事を済ませることができないもの

【2級】

  • 日常生活が著しい制限を受けるもの

【3級】

  • 労働が著しい制限を受けるもの

 

〇ご質問者様の場合、会社員だったとのことですので、障害認定日の時点で認定基準に該当すると判断された場合は、障害認定日から障害厚生年金がもらえることになります。障害厚生年金の請求であれば、3級以上に該当すると判断された場合、支給されます。

 

〇認定日請求が認められた場合は、障害認定日の属する月の翌月分から支給され、繰上げ請求までの期間について障害年金、繰上げ請求後は老齢年金か障害年金を選択することになります。

 

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