アルツハイマー型認知症です。老齢年金を繰り上げ受給しました。今から障害年金の申請はできますか。
松野 道夫が答えるQ&A
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H29年4月頃から新聞の日付けを何度も何度も見返したり同じ言葉を繰り返し話したり、物忘れがひどく会話が噛み合わないことが多くなった。元気な頃の母は世話好きであったがおこりっぽくなり、人に当たるなど不安定な状態が続いた。夜になると財布がない、通帳がない、お金を盗られたなどと家族を疑う。その後病院に受診し、アルツハイマー型認知症との診断であった。その後長年勤めた会社を退社。令和1年9月、60歳で老齢年金繰り上げ受給する。忘れることが増えた。不安が強い時は家族に対し怒り方がエスカレートする。繰り上げ受給していますが障害年金の申請はできますか。こんな状態で障害年金もらえますか。
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〇本回答は2020年11月時点のものです。
〇アルツハイマー型認知症は障害年金の支給対象となっています。
そのため、障害年金の申請は可能です。
〇障害年金の事後重症請求は、65歳に達する日の前日までに請求することができますが、老齢年金の繰り上げ支給を受けると、65歳に達したとみなされるため、「事後重症請求」ができなくなります。
事後重症請求とは、
障害認定日の時点はいずれの障害等級にも該当しなかったものが、その後の傷病の経過から、障害等級に該当する状態に至った場合に請求することを事後重症請求といいます。
〇ただし、老齢年金の繰り上げ請求を行った日の前に、その傷病の初診日や障害認定日があり、障害等級に該当する障害の状態にある場合「障害認定日請求」は可能となります。
障害認定日請求とは、
初診日から1年6ヶ月経過した日、又は、
それ以前に傷病が治癒した日である障害認定日時点での診断書を取得し、
請求することを障害認定日請求といいます。
〇若年性アルツハイマー型認知症の方も障害年金の対象となっています。
若年性アルツハイマー型認知症の各等級に該当する障害の状態は以下の通りです。
若年性アルツハイマー型認知症の認定基準
【1級】
- 高度の認知障害、高度の人格変化、その他の高度の精神神経症状が著明なため、常時の援助が必要なもの
【2級】
- 認知障害、人格変化、その他の精神神経症状が著明なため、日常生活が著しい制限を受けるもの
【3級】
- 認知障害、人格変化は著しくないが、その他の精神神経症状があり、労働が制限を受けるもの
- 認知障害のため、労働が著しい制限を受けるもの
〇ご質問者様の場合、会社員だったとのことですので、障害認定日の時点で認定基準に該当すると判断された場合は、障害認定日から障害厚生年金がもらえることになります。障害厚生年金の請求であれば、3級以上に該当すると判断された場合、支給されます。
〇認定日請求が認められた場合は、障害認定日の属する月の翌月分から支給され、繰上げ請求までの期間について障害年金、繰上げ請求後は老齢年金か障害年金を選択することになります。
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