〇本回答は2021年10月現在のものです。
〇障害年金は収入があるともらえないということはありません。
働きながら受給している方はたくさんおられます。
ただし、仕事でそれなりに収入があるということの一事をもって判断されるものではありませんが、日常生活能力に制限がないと判断された場合は、認定を得ることは難しいでしょう。
〇発達障害などの精神の障害の方が働いている場合、就労状況や仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況などについても併せて考慮されます。
障害があることに対して会社から援助や配慮を受けている場合は、認定が得られる場合がありますが、そのような援助を受けることなく他の従業員と同様に問題なく働くことができ、労働能力、日常生活能力に制限がないと判断された場合は認定を得られないでしょう。
〇特に、ご質問者様のように、中学生の頃から発達障害の診断を受けている場合は、「20歳前傷病の障害基礎年金」の請求になるため、障害の状態が1級もしくは2級に該当しなければ障害年金はもらえません。
20歳前傷病の障害基礎年金とは
先天性の病気などにより20歳前から障害があり、初診日が、20歳前(年金制度に加入していない期間)にあり、かつ、障害の状態が認定基準に該当する場合には、障害基礎年金を受けることができます。
等級は1級と2級があり、障害の程度によって決められます。
※初診日とは、出生直後に、あるいは乳幼児期の健康診断(6ヶ月〜3歳時健診)、または養護学校、更生相談所等の各種検査のいずれかにおいて、医師または歯科医師の診断により、20歳までに障害が確認されている場合や、療育手帳等が交付されている場合を含みます。
〇広汎性発達障害(自閉症スペクトラム)も障害年金の対象となります。
発達障害の認定について
発達障害については、
たとえ知能指数が高くても社会行動やコミュニケーション能力の障害により
対人関係や意思疎通を円滑に行うことが出来ないために
日常生活に著しい制限を受けることに着目して認定をされます。
〇自閉症スペクトラム障害の等級に該当する障害の状態は、以下の通りです。
自閉症スペクトラムの認定基準
- 1級…社会性やコミュニケーション能力が欠如しており、かつ、著しく不適応な行動がみられるため、日常生活への適応が困難で常時援助を必要とするものとする。
- 2級…社会性やコミュニケーション能力が乏しく、かつ、不適応な行動がみられるため、日常生活への適応にあたって援助が必要なもの
- 3級…社会性やコミュニケーション能力が不十分で、かつ、社会行動に問題がみられるため、労働が著しい制限を受けるもの
〇ご質問者様の場合、20歳前に初診日があるため、20歳前傷病の障害基礎年金の申請になります。
上記認定基準から2級以上に相当する場合は、障害基礎年金が受給できる可能性が考えられます。
〇自閉症スペクトラム障害の場合、肢体の欠損障害のように目に見える障害ではないので、単に「日常生活に支障が出る」といった説明ではなく、審査する側が「なるほど。それは日常生活に支障が出るので認定基準を満たしている」と納得できるよう、日常生活や仕事がわかるようにする必要があります。
〇たとえば、私が自閉症スペクトラム障害をお持ちの方に代わって申請する場合、その方に詳しい状況を伺った上で、審査する側が仕事の状況やどのような日常生活を送っているのかが分かるように資料を作成します。
〇1回目の審査で認定されなかった場合、不服申立てのチャンスが2回ありますが、不服申立てで決定が覆るのは、たった15%ですので、1回目の申請が非常に重要になります。
〇私に、自閉症スペクトラム障害のつらさや、仕事における障がいなどをお聞かせいただければ、障害年金を申請するに値するかどうかをチェックいたします。
もちろん無料です。