原発性硬化症胆管炎と診断され生体肝移植手術を受けました。障害年金もらえますか。
松野 道夫が答えるQ&A
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平成28年頃、足のむくみや関節痛、倦怠感が出てきて検査の結果、原発性硬化性胆管炎と診断されました。
しばらく薬物療法を続けていましたが、症状は徐々に悪化し、主治医から、これ以上治療の効果は見込めないため移植を勧められ生体肝移植手術を受けました。
現在肝機能の検査成績は移植後という事もあり、大幅に改善され正常値となっています。
しかし退院後、強い倦怠感があり家事はできず、また、常に感染症の心配があり外出もできません。
ずっと主人の社会保険の扶養に入っていました。こんな状態で障害年金もらえますか。
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〇本回答は2020年10月時点のものです。
〇原発性硬化性胆管炎も障害年金の対象となっております。
しかし、障害年金は病名によって支給されるものではなく、障害の状態が障害等級に該当すれば、受給することができます。
肝臓移植を受けた方の障害認定について
肝臓移植を受けた方の障害認定に当たっては、
・術後の症状
・治療経過
・検査成績
・予後等
を十分に考慮して総合的に認定されます。
障害年金の審査を受けることができる時点
・障害認定日(原則として1年6月を経過した時点)
・現在
上記の時点について、各々診断書を提出し、各々の時点で認定の可否が決定されます。
〇障害認定日の時点で、障害の状態が障害等級に該当している場合、
障害認定日の時点から受給権が発生し、さかのぼって障害年金を受給することができます。
〇現在の時点で、障害の状態が障害等級に該当している場合、
今後の分について障害年金を受給することができます。
〇ご質問者様の場合、現在肝機能の検査成績は移植後ということもあり、大幅に改善され正常値となっているとのことですが、
「障害認定日時点では障害等級に該当するが、現在は障害等級に該当しない」と判断された場合、
障害認定日時点から現在の時点まで一括で障害年金の支給を得、今後の分については支給停止となります。
なお、今後もし症状が再度悪化し、障害の状態に該当することとなれば、
支給停止事由消滅届の提出により支給再開を請求することができます。
〇ご質問者様の場合、初診日がご主人の社会保険の扶養に入っていた期間であれば、国民年金第3号被保険者となりますので、障害基礎年金の申請となります。
障害基礎年金の申請の場合、2級以上に該当しなければ受給することができません。
〇ご質問内容からは、検査成績等具体的な状況が分かりかねるため、認定基準に該当するかの判断は致しかねますが、下記に認定基準を参考にしていただき、申請をご検討されてはいかがでしょうか。
肝疾患の認定基準
【1級】
1,2を満たすもの
- 1.以下の検査成績及び臨床所見のうち高度異常を3つ以上示すもの又は高度異常を2つ及び中等度の異常を2つ以上示すもの
- 2.一身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの
【2級】
1,2を満たすもの
- 1.以下の検査成績及び臨床所見のうち中等度又は高度の異常を3つ以上示すもの
- 2.身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの、または、歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの
【3級】
1,2を満たすもの
- 1.以下の検査成績及び臨床所見のうち中等度又は高度の異常を2つ以上示すもの
- 2.歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの、または軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの
○肝疾患での重症度判定の検査項目及び臨床所見並びに異常値の一部を示すと次のとおりである。
検査項目/臨床所見
基準値
中等度の異常
高度異常
血清総ビリルビン
(mg/dl)
0.3〜1.2
2.0 以上 3.0 以下
3.0 超
血清アルブミン
(g/d l)
(BCG 法)
4.2〜5.1
3.0 以上 3.5 以下
3.0 未満
血小板数
(万/μ l)
13〜35
5 以上 10 未満
5 未満
プロトロンビン
時間(PT)(%)
70 超〜130
40 以上 70 以下
40 未満
腹 水
―
腹水あり
難治性腹水あり
脳 症
―
【精神症状】
睡眠−覚醒リズムに逆転。
多幸気分ときに抑うつ状態。
だらしなく、気にとめない態度。
【参考事項】
あとで振り返ってみて判定できる。
【精神症状】
指南力(時、場所)障害、
物をとり違える(confusion)
異常行動
(例:お金をまく、 化粧品をゴミ箱に捨てるなど)
ときに傾眠状態(普通のよびかけで開眼し
会話が出来る)
無礼な言動があったりするが、他人の指示には従う態度を見せる。
【参考事項】
興奮状態がない。
尿便失禁がない。
羽ばたき振戦あり。
なお、障害の程度の判定に当たっては、前記の検査成績及び臨床所見によるほか、他覚所見、他の一般検査及び特殊検査の検査成績、治療及び病状の経過等も参考とし、認定時の具体的な日常生活状況等を把握して、総合的に認定する。
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障害年金の申請について
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このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
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