救急搬送された時は未納でした。今は全額免除です。年金請求する方法はありますか?
阿部 久美が答えるQ&A
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就職してすぐ、通勤途上の車中で気分が悪く立っていられなくなり、駅員さんに救護室に運ばれそこから救急者で近くの総合病院に運ばれました。
内臓系に異常はなく精神科の病院を紹介され受診したところ強迫性障害とASDとの診断でした。それまでは年金のことは全く知らず、払っていなかったと思いますが、その時病院の精神保健福祉士さんから障害年金や年金支払いのことを聞き、それからは免除の申請を欠かさず行い、全額免除の状態が続いています。
これから先、この精神の障害で障害年金を請求する方法はあるのでしょうか? -
本回答は2020年10月現在のものです。
障害年金を受給するためには、下記の保険料納付要件を満たさなければなりません。
保険料納付要件とは
初診日の前日において以下の1または2を満たしている必要があります。
- 初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
- 初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと
※ただし、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件はありません。
この要件は、「初診日(初めて病院を受診した日)の前日」において満たす必要があります。
ご質問者様の場合、就職後まもなく電車の中で倒れて救急搬送された時が初診日になる可能性が考えられます。しかしその時点では未納とのことですのでこの要件を満たすことができません。
そのため、障害年金の認定を得ることが不可能となります。
例え将来、強迫性障害から双極性障害等の病名に変わったとしても、病名変更と解されますので、初診日が変更されることはありません。
今後、同様の精神の障害で請求できるとすれば、社会的治癒を主張できる場合です。
社会的治癒とは
社会的治癒とは、医療を行う必要がなくなり社会復帰して、無症状で医療を受けることなく相当期間(傷病にもよりますが、約5年程度)経過している場合に、前の傷病と後の傷病を分けて取り扱う考え方です。
以前に受診していたが、社会的に治癒しているため、後で受診した医療機関を初診日として主張することが社会的治癒の主張です。
無症状で医療を行う必要がなかった期間については、厳密に5年と決まっているものではありません。
そのため、未受診の期間が3年ほどであっても、社会的治癒を主張して請求することは可能となっています。
ただし、この社会的治癒については、請求する側が主張し、保険者が認めるか否かを判断するため、必ずしも認められるとは限りません。
社会的治癒を主張して申請をすることは可能となりますが、それが認められるかについては、保険者の判断によります。
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