統合失調症の陽性症状がひどく入院を余儀なくされています。障害年金は何時から請求できますか?
阿部 久美が答えるQ&A
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26歳の娘が半年前に「死ね」という幻聴や、ゾンビが襲ってくるという幻覚に襲われ、マンションの窓から飛び降りようとしました。
精神科病院に救急搬送されそのまま入院になりました。
入院後半年が経過しましたが、今も、病棟暮らしが続いています。
このように症状が激しい場合には、何時から障害年金の請求が出来ますか? -
本回答は2020年4月現在のものです。
お嬢様の場合、初診日から1年6か月を経過した日以降に申請が可能となります。
障害年金の請求手続きは、原則として初診日から1年6か月経過後に行うことができます。
例外的に「傷病が治ったもの」と判断された場合は、1年6か月を待たずに請求手続きができる場合があります。
「傷病が治ったもの」については、視力や聴力、肢体障害には設けられていますが、精神の障害や内部疾患には、原則として設けられていません。
「傷病が治ったもの」とは
障害年金において「傷病が治ったもの」とは、器質的欠損もしくは変形又は機能障害を残している場合は、医学的に傷病が治った時、又は、その症状が安定し、長期にわたってその疾病の固定性が認められ、医療効果が期待し得ない状態に至った場合をいいます。
例えば、腕を切断した場合や筋力を消失したような場合は、症状固定と認められることがありますが、精神の障害や内部疾患の場合、制度上、症状固定は認められていません。
初診日とは
障害の原因となった傷病について、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。
具体的には次のような場合が初診日とされます。
- 初めて診療を受けた日(治療行為又は療養に関する指示があった日)
- 同一の傷病で転医があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日
- 過去の傷病が治癒し同一傷病で再度発症している場合は、再度発症し医師等の診療を受けた日
- 傷病名が確定しておらず、対象傷病と異なる傷病名であっても、同一傷病と判断される場合は、他の傷病名の初診日が対象傷病の初診日
- 障害の原因となった傷病の前に、相当因果関係があると認められる傷病があるときは、最初の傷病の初診日が対象傷病の初診日
※ただし、知的障害の場合は、出生日が初診日となります。
ご質問者様の場合、1年前が初診日になるのであれば、あと半年後に申請が可能となります。
下記の認定基準を参考にしていただき、半年後に申請を検討されてはいかがでしょうか。
統合失調症の認定について
統合失調症は、罹患後数年ないし十数年の経過中に症状の好転を見ることもあり、また、その反面急激に増悪し、その状態を持続することもあります。
したがって、統合失調症として認定を行うものに対しては、発病時からの療養及び症状の経過を十分考慮するものとされています。
統合失調症の認定基準
- 1級…高度の残遺状態又は高度の病状があるため高度の人格変化、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験が著明なため、常時の援助が必要なもの
- 2級…残遺状態又は病状があるため人格変化、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験があるため、日常生活が著しい制限を受けるもの
- 3級…残遺状態又は病状があり、人格変化の程度は著しくないが、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験があり、労働が制限を受けるもの
精神の障害で審査される主な項目について
日常生活動作、即ち、
- 適切な食事
- 身辺の清潔保持
- 金銭管理と買い物
- 通院と服薬
- 他人との意思伝達及び人間関係
- 身辺の安全保持及び危機対応
- 社会性
の7つの項目についてそれぞれ4段階で評価しその平均と総合評価(日常生活能力の程度)の組み合わせで目安が立てられます。
上記を目安に働けているかどうかや生活環境(一人暮らしができているか)等を考慮して、総合的に判定されます。
障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
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しかし、最初の審査で認められない場合、2度目以降の不服申立てで決定が覆るのは、たった15%足らずとなっています。
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