自閉症で基礎年金2級 のケース
徳島県の社労士:阿部 久美が担当した自閉症による障害年金の受給事例
自閉症スペクトラム障害による生きずらさが幼少期、学齢期、成人でも持続
・幼少時より、自分の理解を超えることや意思に沿わないことを強く言われると固まってしまったり、突然走り出したりすることがあった。
・勉強は得意不得意の差が激しく、忘れ物や、物を無くすことが多かった。中学校時代にはクラブ活動やクラスでいじめにあって動けなくなることがあり、メンタルクリニックを受診し解離性障害の疑いとの診断を受けた。
・不登校気味になったこともあったが、両親は発達障害(自閉症スペクトラム障害)とは思っていなかったため、内科の診断を受けさせたり、日常生活でも厳しく接したりした。
・高校に入ってからもいじめやからかいに合い、学校に行けなくなったが親にそのことを話すことができず、家を出て公園で時間を過ごしたりしていた。この頃から親も異常に気付き、学校へ行くと言って出かけた本人の後をそっとつけていくこともあった。
・夏休み後、スクールカウンセラーとの面談で精神科クリニック受診を強く勧められた。この時期は落ち込みが激しく、自傷行為もあったのではないかと思われる。
・精神科クリニックを受診し自閉症スペクトラム障害との診断を受ける。学校には戻らずそのまま退学。
・通信教育主体の単位制高校に入学し、そこを卒業。
・卒業後、発達障がい者総合支援センターに通うとともに就労支援継続事業所に通い始めるも、周囲に対する過敏さが激しく、始終独り言を言っている人が気になって、仕事に行く日を替えたりした他、音や光、匂いに対しても非常に過敏で社会生活、日常生活に適応できない状態が続いている。
このケースのポイント
- 知的障害はなく自閉症スペクトラム障害単独
医学的には出生時に発症とされているが、初診日の証明が必要
- 初診日は中学時代であり障害認定日は20歳到達日
20オ歳到達日前後3か月間のカルテが保管されているか
- 障害認定日並びに現在の日常生活や社会生活上の制限
制限の程度を医師に伝え、診断書に反映していただく必要あり
社会生活や日常生活上の制限を診断書作成医に伝える
・初診日を証明するための「受診状況等証明書」の作成と依頼。
・ご両親並びにご本人から、これまでの状況の確認。ご本人を前にしてはご両親が、ご両親を前にしてはご本人がそれぞれ言いにくい内容もあろうかと思い、別々に聞き取りを行う。
・ご両親が、初診時の病院でのカルテや、学校へ提出した診断書、卒業証書のコピー、勤務簿等の資料を詳細に管理しておられ、それをお借りすることができ、又、ご本人のこれまでの状況についても克明なメモを残されていたことが大変役立った。
・医師宛、診断書作成の依頼並びに、ご本人の日常生活状況についての報告書を、お母さまの名義で障害認定日当時と現在に分けて作成。
・現在の就労状況についても就労継続支援事業所B型での単純作業であり、他の職員との交流は一切なく、むしろ過敏性ゆえに同僚の従業員の言動に苛立ちを感じ休んだり、勤務日や時間を替えなくてはならないことについても書面でお知らせ。
総括
・ご両親がこれまでの資料を保管しておられ、ご本人の状況についても克明に聞かせて頂けたことが極めて有効であった。
・出来上がった診断書の精神の障害等級判定ガイドラインの目安の基準となる日常生活能力の判定平均と程度は
(障害認定日当時)3−3、(請求日当時)3−3でガイドラインの目安の照らし合わせるといずれも2級相当であった。
判定結果は障害認定日に遡っての2級認定であり、ほぼ5年分の障害基礎年金が一括して支払われ、期間も3年と精神の障害としては長い決定となった。
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