うつ病で厚生年金2級が決定した受給例

地方の会社に勤務していたが、結婚後、立て続けに二人の子どもが出来た。
産休明けに職場復帰したが、仕事と家事、育児の両立ができるか不安であったところに、夫が軽いうつ病になりさらに不安が増え、子どもたちは入れ代わり立ち代わり保育園から風邪を貰ってくるため、会社を休まなければならない日が増えた。
そのことで周囲からはいじめを受けるようになり、直属の上司に相談したが、案に相違して長時間の激しい叱責を浴びた。その後もいじめはさらにエスカレートし孤立無援の状況になったため精神科のクリニックを受診開始。受診開始後1か月目から約1か月間求職したが、その間に夫の借金問題が発覚し絶望感から大量服薬し、自殺を図るも発見が早く一命をとりとめる。
夫の借金の督促状が届くも、働けないため払えず、実家の両親に頼み込んで返済する。
昔仲の良かった同僚が、陰では自分のことを悪しざまに言っていたと聞き、落胆し勤め先を退職。
障害認定日当時は自宅で鬱々とした生活をしていた。
障害認定日以降も、現在に至るまで2度、大量服薬による自殺未遂を図っている。

幸いなことにかかりつけ医は、最初から同じ医師であり、本人の状況や自殺未遂のいきさつを全て熟知していた。
症状は3度の自殺未遂を繰り返した現在の方が重篤ではあるが、認定日時点の症状も十分2級に該当していたと判断し、認定日から1年以内の本来請求であることから、認定日当時の診断書1枚で認定日時点での2級が認められれば認定日の翌月からの7か月分が初回に受給できることから、本来請求とした。
請求提出から3か月余りで2級が決定。

2級認定がより確実な事後重症請求か、1枚の診断書で1年近く遡って年金が受給できる本来請求か迷った結果本来請求を選んだことが功を奏し、初回に100数十万の年金を手にしてもらうことが出来た。

大体1度限りで時間にも制約のある本人との面談の中で、本人の状況を読み解き、その材料を素にした決断の大切さを痛感した。