脳梗塞を発症された方からのお問い合わせ。
阿部 久美のブログ
今日は「脳梗塞を発症したのですが、いつ、どのような状態になれば障害年金が請求できるのでしょうか?」というお問い合わせを頂戴しました。
ご相談者様は2か月前に突然、脳梗塞を発症し入院されたそうです。
「2週間足らずの入院でしたが、退院後は自宅療養で、そのまま会社は退職となりました。これから傷病手当金や失業保険の手続きをする予定です。障害年金の請求も考えているのですが、いつ、どのような状態になれば請求できるのでしょうか?今のところ高次脳機能障害はなく、体の麻痺もありませんが、車の運転はできない状態です。」というお問い合わせです。
障害年金は、障害認定日が到来すれば請求が可能となります。
脳梗塞のため、肢体麻痺などの後遺症がある場合は、最短で脳梗塞発症から6か月経過した日が障害認定日になります。
また、高次脳機能障害の場合は、発症から1年6か月経過した日が障害認定日になります。
症状によって障害認定日が異なります。
障害認定日とは
障害の程度の認定を行うべき日をいい、原則として、
- 「初診日」から起算して1年6月を経過した日
- 傷病が治った日(その症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った日を含む)
のいずれか早い日となります。
ただし、脳出血などの脳血管疾患による肢体機能障害の障害認定日は、
- 初診日から6か月経過後の症状固定日
- 初診日から1年6か月を経過した日
のいずれか早い方の日となります。
障害認定日の時点で、障害の程度が認定基準に該当する程度であれば受給できます。
それぞれの認定基準は次の通りです。
半身まひの認定基準
【1級】
- 一上肢及び一下肢の用を全く廃したもの…日常生活における動作のすべてが「一人で全くできない場合」又はこれに近い状態
【2級】
- 一上肢及び一下肢の機能に相当程度の障害を残すもの…日常生活における動作の多くが「一人で全くできない場合」又は日常生活における動作のほとんどが「一人でできるが非常に不自由な場合」
【3級】
- 一上肢及び一下肢に機能障害を残すもの…日常生活における動作の一部が「一人で全くできない場合」又はほとんどが「一人でできてもやや不自由な場合」
※日常生活における動作と身体機能との関連は、厳密に区別することはできませんが、おおむね次の通りとされています。
【手指の機能】
- つまむ(新聞紙が引き抜けない程度)
- 握る(丸めた週刊誌が引き抜けない程度)
- タオルを絞る(水を切れる程度)
- ひもを結ぶ
【上肢の機能】
- さじで食事をする
- 顔を洗う(顔に手のひらをつける)
- 用便の処置をする(ズボンの前のところに手をやる)
- 用便の処置をする(尻のところに手をやる)
- 上衣の着脱(かぶりシャツを着て脱ぐ)
- 上衣の着脱(ワイシャツを着てボタンをとめる)
【下肢の機能】
- 片足で立つ
- 歩く(屋内)
- 歩く(屋外)
- 立ち上がる
- 階段を上る
- 階段を下りる
高次脳機能障害の認定基準
【1級】
- 高度の認知障害、高度の人格変化、その他の高度の精神神経症状が著明なため、常時の援助が必要なもの
【2級】
- 認知障害、人格変化、その他の精神神経症状が著明なため、日常生活が著しい制限を受けるもの
【3級】
- 認知障害、人格変化は著しくないが、その他の精神神経症状があり、労働が制限を受けるもの
- 認知障害のため、労働が著しい制限を受けるもの
ご質問者様の場合、今のところ症状はないとのことですが、今後状態が変化する可能性も考えられます。
障害認定日の到来を待って、障害年金の申請についてご検討されてはいかがでしょうか、とお話ししました。
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障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
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