徳島市在住、軽度の自閉症の男性から障害手当金についてのお問い合わせ
阿部 久美のブログ

今日は徳島市にお住まいで軽度の自閉症と診断されている男性から障害手当金についてのお問い合わせをいただきました。
この男性は勤めている会社でミスばかりするので、先輩に勧められて精神科を受診し、発達の検査をしたところ自閉症の傾向と言われたそうです。
さらに医師からは「『あなたの場合は軽いから障害年金がもらえるほどではないよ』と言われたのですが、障害手当金も無理でしょうか?」というお問い合わせです。
自閉症などの発達障害については、障害手当金はありません。
障害手当金とは
障害手当金は、厚生年金に加入している間に初診日のある病気やけがが初診日から5年以内に治ったもので、3級の障害よりやや程度の軽い障害が残ったときに支給される「一時金」です。
「傷病が治ったもの」とは
障害年金において「傷病が治ったもの」とは、器質的欠損もしくは変形又は機能障害を残している場合は、医学的に傷病が治った時、又は、その症状が安定し、長期にわたってその疾病の固定性が認められ、医療効果が期待し得ない状態に至った場合をいいます。
発達障害や気分障害などの精神疾患については、服薬などによって状態が変化することが多く、「傷病が治る」「症状が固定する」ことは原則として想定されていません。
そのため、認定基準においても障害手当金は設けられていません。
ご質問者様の場合、軽いから障害年金がもらえるほどではないと言われた、とのことですが、状態によっては認定が得られる可能性は考えられます。
下記の認定基準等を参考にしていただき、申請をご検討されてはいかがでしょうか、とお話ししました。
発達障害の認定基準
【1級】
以下1〜2を満たすもの
- 社会性やコミュニケーション能力が欠如している
- 著しく不適応な行動がみられるため、日常生活への適応が困難で常時援助を必要とするもの
【2級】
以下1〜2を満たすもの
- 社会性やコミュニケーション能力が乏しい
- 不適応な行動がみられるため、日常生活への適応にあたって援助が必要なもの
【3級】
以下1〜2を満たすもの
- 社会性やコミュニケーション能力が不十分
- 社会行動に問題がみられるため、労働が著しい制限を受けるもの
精神の障害で審査される主な項目について
日常生活動作、即ち、
- 適切な食事
- 身辺の清潔保持
- 金銭管理と買い物
- 通院と服薬
- 他人との意思伝達及び人間関係
- 身辺の安全保持及び危機対応
- 社会性
の7つの項目についてそれぞれ4段階で評価しその平均と総合評価(日常生活能力の程度)の組み合わせで目安が立てられます。
上記を目安に働けているかどうかや生活環境(一人暮らしができているか)等を考慮して、総合的に判定されます。
一般企業で働いている場合(障害者雇用制度による就労を含む)でも仕事の内容が、管理者や指導員の常時の見守りの下での単純かつ反復的な作業であり、他の従業員との意思疎通が困難で、状況にそぐわない行動がある時は、働いていることをもって日常生活能力が向上したとは見ません。
また、一人で生活している場合であっても親兄弟や生活指導員などが頻繁に訪問し、サポートしている場合には一人暮らしができているとは見なしません。
医師に状況を伝えることが大切です。
上記日常生活の状況(何ができて何ができないのか)や就労状況、一人暮らしの場合は受けているサポートを、診断書作成医にしっかり伝え、診断書の評価に反映してもらうことが大切です。
必要に応じて職場の上司や管理者、肉親や支援員の方に状況を説明する書面の作成をお願いし参考資料として提出する場合もあります。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
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