徳島市在住、心筋梗塞でステントを挿入されている66歳の男性からのお問い合わせ。
阿部 久美のブログ

今日は、現在66歳で老齢年金を受給中ですが、2年前に心筋梗塞で、ステントを導入されてる男性からお問い合わせをいただきました。
この男性は現在66歳で、老齢年金を受給しておられ、2年前に心筋梗塞により救急搬送され、ステントを挿入され、現在は近所の循環器医院にて毎月、血液検査等、経過観察をしておられるそうです。
この男性曰く「長年自営業でしたが、年金を払えない時期もあったため、老齢年金は満額ではないので、老齢年金とあわせて障害年金がもらえたらありがたいのですが両方もらえるでしょうか」というお問い合わせです。
ご質問内容から、障害年金の受給は難しいと思われますと申し上げました。
障害年金は原則として、65歳の誕生日の2日前までに申請しなければなりません。
65歳以降でも申請できる場合は以下に限られます。
65歳以降でも障害年金を申請できる場合
- 初診日が、65歳の2日前までにあり、障害認定日の障害状態が障害等級に該当している場合
- 前発傷病と後発傷病を併せて、65歳前にはじめて2級となった場合
- 初診日において国民年金の任意加入者であった場合
- 初診日において厚生年金加入中であった場合
お問い合わせいただいた方の場合、64歳の時に心筋梗塞のため救急搬送されていることから、障害認定日の障害状態が障害等級に該当している場合、申請が可能となります。
しかし、ステントを挿入したものについては原則として3級と認定されるため、障害厚生年金の申請であれば認定を得ることができますが、障害基礎年金の申請の場合は、認定を得ることができません。
障害認定日とは
障害の程度の認定を行うべき日をいい、原則として、
- 初診日から起算して1年6月を経過した日
- 傷病が治った日(その症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った日を含む)
のいずれか早い日となります。
大動脈疾患の障害年金
次のいずれかを満たすものは、原則として3級と認定されます。
- 胸部大動脈解離(Stanford分類A型・B型)や胸部大動脈瘤により、人工血管を挿入し、かつ、歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの、または軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの
- 胸部大動脈解離や胸部大動脈瘤(胸腹部大動脈瘤も含む)に、難治性の高血圧を合併したもの
※大動脈疾患に関連した合併症(周辺臓器への圧迫症状など)の程度や手術の後遺症によっては、さらに上位等級に認定する。
※難治性高血圧とは、塩分制限などの生活習慣の修正を行った上で、適切な薬剤3薬以上の降圧薬を適切な要領で継続投与しても、なお、収縮期血圧が140mmHg以上又は拡張期血圧が90mmHg以上のもの。
障害厚生年金か障害基礎年金か
障害厚生年金を受給できるか、障害基礎年金の受給となるかは、
初診日に加入していた年金制度によって決まります。
- 初診日が厚生年金被保険者期間中にある場合は、障害厚生年金
- 初診日が国民年金被保険者期間中にある場合は、障害基礎年金
- 初診日が20歳前または60歳以上65歳未満(国内に住んでいる方のみ)の年金未加入期間にある場合は、障害基礎年金
障害基礎年金と障害厚生年金の障害等級について
- 障害基礎年金…1級および2級
- 障害厚生年金…1級、2級および3級
ご質問者様の場合、長年自営業をしていたとのことですので、初診日の時点で国民年金に加入していた場合は、障害基礎年金の申請になり、障害の状態が3級相当では認定を得ることができません。
初診日とは
障害の原因となった傷病について、
初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。
具体的には次のような場合が初診日とされます。
- 初めて診療を受けた日(治療行為又は療養に関する指示があった日)
- 同一の傷病で転医があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日
- 過去の傷病が治癒し同一傷病で再度発症している場合は、再度発症し医師等の診療を受けた日
- 傷病名が確定しておらず、対象傷病と異なる傷病名であっても、同一傷病と判断される場合は、他の傷病名の初診日が対象傷病の初診日
- 障害の原因となった傷病の前に、相当因果関係があると認められる傷病があるときは、最初の傷病の初診日が対象傷病の初診日
※ただし、知的障害の場合は、出生日が初診日となります。
仮に初診日が厚生年金加入期間中であれば、3級が認定される可能性が考えられますが、障害厚生年金3級と老齢年金は併給することができません。
どちらか有利な方を選択することになります。
老齢年金と障害年金の両方を受給することは困難でしょう、とお話ししました。
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障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
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