徳島市在住、アルバイトを理由にうつ病での請求が不支給となった方からのご相談
阿部 久美のブログ

今日は徳島市にお住まいで、アルバイトを理由にうつ病での請求が不支給となった方からご相談をいただきました。
この方は4年程年前からうつ病と診断され、障害基礎年金を申請しましたが、アルバイトをしているから不支給とされたそうです。
「身体障害者は働きながらでも障害年金がもらえると聞くのに、精神障害者は働いているともらえないのですか?」というご質問です。
精神障害者は働いていると障害年金はもらえない、ということはありません。
精神障害者の方が働いている場合でも、障害年金が受給できる場合があります。
精神の障害の程度は、その原因や諸症状、治療およびその病状の経過、具体的な日常生活状況等により、認定基準に照らして総合的に認定されます。
また、仕事をしている場合は、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認したうえで日常生活能力を判断されます。
例えば、仕事をしている場合でも、簡単な内容にしてもらったり、短時間の勤務にしてもらうなどの配慮を受けている場合は、障害年金の認定が得られる場合があります。
しかし、他の従業員と同程度の仕事が問題なくできる場合は、労働能力に制限はないと判断され、障害年金の認定が得られないケースもあります。
ご質問者様の場合、アルバイトをしているから不支給だったとのことですが、アルバイトの状況や内容などがきちんと伝わっていなかった可能性が考えられます。
内容によっては、アルバイトをしながらでも障害基礎年金が受給できる可能性は考えられます。
次の認定基準等を参考にしていただき、再度申請をご検討されてはいかがでしょうか、とお話ししました。
うつ病の認定基準
- 1級…高度の気分、意欲・行動の障害及び高度の思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、常時の援助が必要なもの
- 2級…気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、日常生活が著しい制限を受けるもの
- 3級…気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、その病状は著しくないが、これが持続したりまたは繰り返し、労働に制限を受けるもの
精神の障害で審査される主な項目について
日常生活動作、即ち、
- 適切な食事
- 身辺の清潔保持
- 金銭管理と買い物
- 通院と服薬
- 他人との意思伝達及び人間関係
- 身辺の安全保持及び危機対応
- 社会性
の7つの項目についてそれぞれ4段階で評価しその平均と総合評価(日常生活能力の程度)の組み合わせで目安が立てられます。
上記を目安に働けているかどうかや生活環境(一人暮らしができているか)等を考慮して、総合的に判定されます。
一般企業で働いている場合(障害者雇用制度による就労を含む)でも仕事の内容が、管理者や指導員の常時の見守りの下での単純かつ反復的な作業であり、他の従業員との意思疎通が困難で、状況にそぐわない行動がある時は、働いていることをもって日常生活能力が向上したとは見ません。
また、一人で生活している場合であっても親兄弟や生活指導員などが頻繁に訪問し、サポートしている場合には一人暮らしができているとは見なしません。
医師に状況を伝えることが大切です。
上記日常生活の状況(何ができて何ができないのか)や就労状況、一人暮らしの場合は受けているサポートを、診断書作成医にしっかり伝え、診断書の評価に反映してもらうことが大切です。
必要に応じて職場の上司や管理者、肉親や支援員の方に状況を説明する書面の作成をお願いし参考資料として提出する場合もあります。
なお、精神の障害の認定基準には労働能力の有無が含まれるため、就労状況等を総合的に判断された結果、認定が得られない場合がありますが、視覚や聴覚、肢体障害の認定基準については、主に検査成績によって等級が決まるため、労働能力については問われません。
そのため、働きながらでも認定が得られることがあります。
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障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
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