徳島市在住、アスペルガー症候群と診断された男性からのお問い合わせ
阿部 久美のブログ

今日は徳島市在住のアスペルガー症候群と診断を受けている男性からお問い合わせをいただきました。
この男性はアスペルガー症候群ですが、学業面も生活面も問題ありません。見た目は普通で、国立大学を卒業しており、学業面では問題ありません。
現在は大学院に進んでいて、生活は家族と暮らしているので、こちらも問題はありません。
こんな状態でも障害年金はもらえるのでしょうか、というご質問です。
アスペルガー症候群などの発達障害は、生まれつきの脳機能の障害と言われているため、見た目は普通で、学業に問題がない方も多くおられます。
しかし、社会行動やコミュニケーション能力の障害により、対人関係や意思疎通を円滑に行うことができないために、労働や日常生活に著しい制限を受けている場合があります。
発達障害については、次の認定基準等によって審査されます。
発達障害の認定基準
【1級】
以下1〜2を満たすもの
- 社会性やコミュニケーション能力が欠如している
- 著しく不適応な行動がみられるため、日常生活への適応が困難で常時援助を必要とするもの
【2級】
以下1〜2を満たすもの
- 社会性やコミュニケーション能力が乏しい
- 不適応な行動がみられるため、日常生活への適応にあたって援助が必要なもの
【3級】
以下1〜2を満たすもの
- 社会性やコミュニケーション能力が不十分
- 社会行動に問題がみられるため、労働が著しい制限を受けるもの
精神の障害で審査される主な項目について
日常生活動作、即ち、
- 適切な食事
- 身辺の清潔保持
- 金銭管理と買い物
- 通院と服薬
- 他人との意思伝達及び人間関係
- 身辺の安全保持及び危機対応
- 社会性
の7つの項目についてそれぞれ4段階で評価しその平均と総合評価(日常生活能力の程度)の組み合わせで目安が立てられます。
上記を目安に働けているかどうかや生活環境(一人暮らしができているか)等を考慮して、総合的に判定されます。
一般企業で働いている場合(障害者雇用制度による就労を含む)でも仕事の内容が、管理者や指導員の常時の見守りの下での単純かつ反復的な作業であり、他の従業員との意思疎通が困難で、状況にそぐわない行動がある時は、働いていることをもって日常生活能力が向上したとは見ません。
また、一人で生活している場合であっても親兄弟や生活指導員などが頻繁に訪問し、サポートしている場合には一人暮らしができているとは見なしません。
医師に状況を伝えることが大切です。
上記日常生活の状況(何ができて何ができないのか)や就労状況、一人暮らしの場合は受けているサポートを、診断書作成医にしっかり伝え、診断書の評価に反映してもらうことが大切です。
必要に応じて職場の上司や管理者、肉親や支援員の方に状況を説明する書面の作成をお願いし参考資料として提出する場合もあります。
知人の方は、家族と暮らしているので生活に問題はないとのことですが、家族のサポートを受けているから成り立っているのであって、独居では生活が成り立たないのであれば、日常生活に著しい制限を受けているものに該当する可能性も考えられます。
ご質問内容からは、上記の認定基準を参考にしていただき、申請をご検討されてはいかがでしょうか、とお話ししました。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
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