「二次障害を併発したということで障害基礎年金の額は上がりますか?」というお問い合わせ。
阿部 久美のブログ
今日は二次障害を併発した方から「障害年金の額は上がりますか?」というお問い合わせを頂きました。
ご相談者様は自閉症スペクトラム障害で障害基礎年金2級を受給しておられるそうです。
「現在就労継続支援B型に通っているのですが、そこの人たちとの関係が悪くてうつ状態になっています。二次障害を併発したということで障害基礎年金の額は上がりますか?」というお問い合わせです。
うつ状態になっていることで日常生活への適応が困難となり、常時の援助が必要な程度まで悪化している場合は、額改定請求により障害基礎年金1級になる可能性が考えられます。
額改定請求とは
障害の程度が重くなったときは、その旨を申し立て、年金額の変更を請求することができます。
「障害給付額改定請求書」と併せて診断書の提出が必要です。
※ただし、3級の障害厚生年金を受けている方(過去に2級になったことがない方)が65歳以上になったときは、額改定請求はできません。
発達障害の認定について
発達障害については、たとえ知能指数が高くても社会行動やコミュニケーション能力の障害により対人関係や意思疎通を円滑に行うことが出来ないために日常生活に著しい制限を受けることに着目して認定をされます。
発達障害の認定基準
【1級】
以下1〜2を満たすもの
- 社会性やコミュニケーション能力が欠如している
- 著しく不適応な行動がみられるため、日常生活への適応が困難で常時援助を必要とするもの
【2級】
以下1〜2を満たすもの
- 社会性やコミュニケーション能力が乏しい
- 不適応な行動がみられるため、日常生活への適応にあたって援助が必要なもの
【3級】
以下1〜2を満たすもの
- 社会性やコミュニケーション能力が不十分
- 社会行動に問題がみられるため、労働が著しい制限を受けるもの
うつ病の認定基準
- 1級…高度の気分、意欲・行動の障害及び高度の思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、常時の援助が必要なもの
- 2級…気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、日常生活が著しい制限を受けるもの
- 3級…気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、その病状は著しくないが、これが持続したりまたは繰り返し、労働に制限を受けるもの
自閉症スペクトラム障害などの発達障害の方が、うつ病などを併発した場合、どちらも精神の障害のため、併合認定は行われず、総合的に判断され、上記の認定基準の1級に該当すると判断された場合は、1級に改定されます。
ご質問内容からは、日常生活状況等の詳細が分かりかねますが、上記の認定基準1級に該当する程度であれば、額改定請求をご検討されてはいかがでしょうか。
なお、額改定請求については待機期間がありますので、手続きの時期にご注意ください。
額改定請求の待期期間
額改定請求は原則として、次の日を経過した日以降にすることができます。
- 障害認定日請求により受給権を得た場合は、障害認定日から1年経った日
- 事後重症請求により受給権を得た場合は、裁定請求日から1年経った日
- 以前に額改定請求をした場合は、額改定請求日から1年経った日
- 障害状態確認届(現況診断書)提出により減額改定された場合は、誕生月から3ヶ月後の1日から1年経った日
- 障害状態確認届(現況診断書)提出により等級変更がなかった場合は、いつでも可
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障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
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