徳島市在住、双極性障害と診断されている方からのお問い合わせ。

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徳島市在住、双極性障害と診断されている方からのお問い合わせ。

阿部 久美のブログ

今日は徳島市にお住まいで、双極性障害と診断されている方からお問い合わせを頂きました。

ご相談者様は19歳の時に統合失調症と診断され半年ほど治療を受けましたが、症状が治まったので通院も服薬も中断されました。

それから15年経過し、職場の人間関係が原因でうつ病を発症。

休職して傷病手当金を受給し、治療を継続していましたが、復帰できず退職されたそうです。

「現在は無職で、双極性障害と診断されています。統合失調症ではないと言われています。この場合、19歳の時を初診として障害基礎年金の申請になりますか。それともうつ病を発症した時を初診として障害厚生年金の申請になりますか?」というお問い合わせです。

 

ご質問者様の場合、本来の初診日は19歳の時になるでしょう。

しかし、15年間受診していない期間があるため、社会的治癒を主張することで、うつ病を発症した時を初診として障害厚生年金の申請ができる可能性も考えられます。

社会的治癒とは

社会的治癒とは、医療を行う必要がなくなり社会復帰して、無症状で医療を受けることなく相当期間(傷病にもよりますが、約5年程度)経過している場合に、前の傷病と後の傷病を分けて取り扱う考え方です。

以前に受診していたが、社会的に治癒しているため、後で受診した医療機関を初診日として主張することが社会的治癒の主張です。

 

障害厚生年金か障害基礎年金か

障害厚生年金を受給できるか、障害基礎年金の受給となるかは、初診日(初めて病院を受診した日)に加入していた年金制度によって決まります。

  • 初診日が厚生年金被保険者期間中にある場合は、障害厚生年金
  • 初診日が国民年金被保険者期間中にある場合は、障害基礎年金
  • 初診日が20歳前または60歳以上65歳未満(国内に住んでいる方のみ)の年金未加入期間にある場合は、障害基礎年金

 

障害基礎年金と障害厚生年金の障害等級について

  • 障害基礎年金…1級および2級
  • 障害厚生年金…1級、2級および3級

※症状の重さによって等級が分けられています。

※3級が最も症状が軽く、2級、1級になるにつれて症状が重く、また受給額も多くなります。

 

社会的治癒については、請求人が主張し、保険者が認定するものですので、必ずしも認められるものではありませんが、ご質問者様の場合、15年間通院をしておらず、その間に就職をし結婚もして子供もいるとのことですので、社会的治癒が認められる可能性も考えられます。

社会的治癒の主張、障害厚生年金の申請をご検討されてはいかがでしょうか。

 

なお、双極性障害の認定基準等は次の通りです。

双極性障害の認定基準

  • 1級…高度の気分、意欲・行動の障害及び高度の思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、常時の援助が必要なもの
  • 2級…気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、日常生活が著しい制限を受けるもの
  • 3級…気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、その病状は著しくないが、これが持続したりまたは繰り返し、労働に制限を受けるもの

 

精神の障害で審査される主な項目について

日常生活動作、即ち、

  1. 適切な食事
  2. 身辺の清潔保持
  3. 金銭管理と買い物
  4. 通院と服薬
  5. 他人との意思伝達及び人間関係
  6. 身辺の安全保持及び危機対応
  7. 社会性

の7つの項目についてそれぞれ4段階で評価しその平均と総合評価(日常生活能力の程度)の組み合わせで目安が立てられます。

上記を目安に働けているかどうかや生活環境(一人暮らしができているか)等を考慮して、総合的に判定されます。

一般企業で働いている場合(障害者雇用制度による就労を含む)でも仕事の内容が、管理者や指導員の常時の見守りの下での単純かつ反復的な作業であり、他の従業員との意思疎通が困難で、状況にそぐわない行動がある時は、働いていることをもって日常生活能力が向上したとは見ません。

また、一人で生活している場合であっても親兄弟や生活指導員などが頻繁に訪問し、サポートしている場合には一人暮らしができているとは見なしません。

医師に状況を伝えることが大切です。

上記日常生活の状況(何ができて何ができないのか)や就労状況、一人暮らしの場合は受けているサポートを、診断書作成医にしっかり伝え、診断書の評価に反映してもらうことが大切です。
必要に応じて職場の上司や管理者、肉親や支援員の方に状況を説明する書面の作成をお願いし参考資料として提出する場合もあります。
 

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