統合失調症の男性の再審査請求棄却
阿部 久美のブログ

・2018年7月 裁定請求提出 傷病名は「統合失調症」、診断書裏面の日常生活能力の判定平均と程度は3.14の4であり精神の障害判定ガイドラインの目安に当てはめると明らかに2級。就労はできず、一人暮らしですが近くに住む実妹が週3回程度訪れ、家事をサポートすることで何とか暮らしています。そのことは実妹自身の書面として提出しています。
・2018年9月 不支給決定
・2018年12月 障害状態認定調書開示 「外来のみで治療され単身生活を維持できているため3級とした」
・2018年12月 審査請求を提出
・2019年2月 九州厚生局社会保険審査官小成善一はこの請求を棄却。主たる理由は煎じ詰めて言うと「何とか一人暮らしができている」という点であった。
・2019年2月 再審査請求を提出
・2019年12月 再審査請求を棄却 委員長 高野 伸、審査員 後藤 昭夫、中森 正二
裁決書の核心部分を摘記する。「…請求人の妹が作成した『兄、○○○○の日常生活について』と題する書面によれば、請求人の妹は、週3回程度請求人の家に行き、身の回りの世話をしているとされ、請求人作成の日常生活状況等申告書によれば、請求人は、妹が用事でこられない時を中心に、月に1回ないし2回、食品を買いにスーパーなどに出かけるとしていることなどを考慮すると、前記の2級の基本的例示に該当するとは認めがたく、前記統合失調症による障害で障害等級2級に相当すると認められる例示に該当しないし、日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度に至った居るとまではいえない。」
・裁決書によると社会保険審査会参与のうち3人は障害等級2級の程度に該当するとの意見を表明したそうです。
今回の事例から言えることは
1、かりそめにも一人暮らしをしている場合には、そのことをもって2級認定は行わない。
2、単身生活状況の悲惨さや定期的に支援に行っていることを書面にしても、それが親族によるものである場合には殆ど顧慮されない。
3、生活支援やヘルパーが入っていないことも不支給の理由とされる。
ということです。
この判断は適切なものか、行政訴訟の提起を検討するとともに、私の属する各種の勉強会に事例として提起し検討を深めたいと思います。
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