精神の障害、日常生活能力の評価方法

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精神の障害、日常生活能力の評価方法

阿部 久美のブログ

今日のブログはパソコン画面若しくはスマホを横にするなどして、なるべく幅広の画面でご覧になることをお勧めします。ご不便をおかけし申し訳ありません。

 

今日は精神の障害で障害年金の申請を検討されている男性から「障害年金の受給の可否や等級の決定には診断書面の日常生活状況の評価が大きく影響すると聞いたが、具体的にはどのように評価されるのか?」
というお問い合わせをいただきました。

ご指摘の通り障害年金の支給の可否は、診断書裏面の日常生活能力が最も重視されます。
 

 

1 日常生活能力の判定

  (判断にあたっては、単身で生活するとしたら可能かどうかで判断してください。)

1.適切な食事 ー 配膳などの準備も含めて適当量をバランスよく摂ることがほぼできるなど。

□できる  □自発的にできるが時  □自発的かつ適正に行うこ  □助言や指導をしても
                 には助言や指導を必   とはできないが助言や指  できない若しくは行 
      要とする       導があればできる      わない
  1点         2点               3点                  4点

2.身辺の清潔保持
3.金銭管理と買い物
4.通院と服薬
5. 他人との意思伝達及び対人関係
6.身辺の安全保持及び危機対応
7.社会性

(1)適切な食事

 * 嗜癖的な食行動(たとえば拒食症や過食症)をもって「食べられない」とはしない。
 

できる

栄養のバランスを考え適当量の食事を適時にとることができる。(外食、自炊、家族・施設からの提供を問わない)

自発的にできるが時には助言や指導を必要とする

だいたいは自主的に適当量の食事を栄養のバランスを考え適時にとることができるが、時に食事内容が貧しかったり不規則になったりするため、家族や施設からの提供、助言や指導を必要とする場合がある。

自発的かつ適正に行うことはできないが助言や指導があればできる

1人では、いつも同じものばかりを食べたり、食事内容が極端に貧しかったり、いつも過食になったり、不規則になったりするため、経常的な助言や指導を必要とする。

助言や指導をしてもできない若しくは行わない

常に食事へ目を配っておかないと不食、偏食、過食などにより健康を害するほどに適切でない食行動になるため、常時の援助が必要である。


 

 

(2)身辺の清潔保持 

できる

洗面、整髪、ひげ剃り、入浴、着替え等の身体の清潔を保つことが自主的に問題なく行える。必要に応じて(週に1回くらいは)、自主的に掃除や片付けができる。また、TPO(時間、場所、状況)に合った服装ができる。

自発的にできるが時には助言や指導を必要とする

身体の清潔を保つことが、ある程度自主的に行える。回数は少ないが、だいたいは自室の清掃や片付けが自主的に行える。身体の清潔を保つためには、週1回程度の助言や指導を必要とする。

自発的かつ適正に行うことはできないが助言や指導があればできる

身体の清潔を保つためには、経常的な助言や指導を必要とする。自室の清掃や片付けを自主的にはせず、いつも部屋が乱雑になるため、経常的な助言や指導を必要とする。

助言や指導をしてもできない若しくは行わない

常時支援をしても身体の清潔を保つことができなかったり、自室の清掃や片付けをしないか、できない。

 

(3)金銭管理と買い物

 * 行為嗜癖に属する浪費や強迫的消費行動については、評価しない。
 

できる

金銭を独力で適切に管理し、1ヵ月程度のやりくりが自分でできる。また、1人で自主的に計画的な買い物ができる。

おおむねできるが時には助言や指導を必要とする

1週間程度のやりくりはだいたい自分でできるが、時に収入を超える出費をしてしまうため、時として助言や指導を必要とする。

助言や指導があればできる

1人では金銭の管理が難しいため、3~4日に一度手渡して買い物に付き合うなど、経常的な援助を必要とする。

助言や指導をしてもできない若しくは行わない

持っているお金をすぐに使ってしまうなど、金銭の管理が自分ではできない、あるいは行おうとしない。

 

(4)通院と服薬

できる

通院や服薬の必要性を理解し、自発的かつ規則的に通院・服薬ができる。また、病状や副作用について、主治医に伝えることができる。

おおむねできるが時には助言や指導を必要とする

自発的な通院・服薬はできるものの、時に病院に行かなかったり、薬の飲み忘れがある(週に2回以上)ので、助言や指導を必要とする。

助言や指導があればできる

飲み忘れや、飲み方の間違い、拒薬、大量服薬をすることがしばしばあるため、経常的な援助を必要とする。

助言や指導をしてもできない若しくは行わない

常時の援助をしても通院・服薬をしないか、できない。

 

(5)他人との意思伝達及び対人関係

 * 1対1や集団の場面で、他人の話を聞いたり、自分の意思を相手に伝えたりする
コミ ュニケーション能力や他人と適切につきあう能力に着目する。

できる

近所、仕事場等で、挨拶など最低限の人づきあいが自主的に問題なくできる。必要に応じて、誰に対しても自分から話せる。友人を自分からつくり、継続して付き合うことができる。

おおむねできるが時には助言や指導を必要とする

最低限の人づきあいはできるものの、コミュニケーションが挨拶や事務的なことにとどまりがちで、友人を自分からつくり、継続して付き合うには、時として助言や指導を必要とする。あるいは、他者の行動に合わせられず、助言がなければ、周囲に配慮を欠いた行動をとることがある。

助言や指導があればできる

他者とのコミュニケーションがほとんどできず、近所や集団から孤立しがちである。友人を自分からつくり、継続して付き合うことができず、あるいは周囲への配慮を欠いた行動がたびたびあるため、助言や指導を必要とする。

助言や指導をしてもできない若しくは行わない

助言や指導をしても他者とコミュニケーションができないか、あるいはしようとしない。また、隣近所・集団との付き合い・他者との協調性がみられず、友人等とのつきあいがほとんどなく、孤立している。

 

(6)身辺の安全保持及び危機対応

 * 自傷(リストカットなど行為嗜癖的な自傷を含む。)や他害が見られる場合は、自傷・他害行為を
   本項目の評価対象に含めず、10障害の状態のア欄(現在の病状又は状態像)及びイ欄(左記の状態
   について、その程度・症状・処方薬等の具体的記載) になるべく具体的に記載してください。
 

できる

道具や乗り物などの危険性を理解・認識しており、事故等がないよう適切な使い方・利用ができる(例えば、刃物を自分や他人に危険がないように使用する、走っている車の前に飛び出さない、など)。また、通常と異なる事態となった時(例えば火事や地震など)に他人に援助を求めたり指導に従って行動するなど、適正に対応することができる。

おおむねできるが時には助言や指導を必要とする

道具や乗り物などの危険性を理解・認識しているが、時々適切な使い方・利用ができないことがある(例えば、ガスコンロの火を消し忘れる、使用した刃物を片付けるなどの配慮や行動を忘れる)。また、通常と異なる事態となった時に、他人に援助を求めたり指示に従って行動できない時がある。

助言や指導があればできる

道具や乗り物などの危険性を十分に理解・認識できておらず、それらの使用・利用において、危険に注意を払うことができなかったり、頻回に忘れてしまう。また、通常と異なる事態となった時に、パニックになり、他人に援助を求めたり、指示に従って行動するなど、適正に対応することができないことが多い。

助言や指導をしてもできない若しくは行わない

道具や乗り物などの危険性を理解・認識しておらず、周囲の助言や指導があっても、適切な使い方・利用ができない、あるいはしようとしない。また、通常と異なる事態となった時に、他人に援助を求めたり、指示に従って行動するなど、適正に対応することができない。


 

(7)社会性

できる

社会生活に必要な手続き(例えば行政機関の各種届出や銀行での金銭の出し入れ等)や公共施設・交通手段の利用にあたって、基本的なルール(常識化された約束事や手順)を理解し、周囲の状況に合わせて適切に行動できる。

おおむねできるが時には助言や指導を必要とする

社会生活に必要な手続きや公共施設・交通機関の利用について、習慣化されたものであれば、各々の目的や基本的なルール、周囲の状況に合わせた行動がおおむねできる。だが、急にルールが変わったりすると、適正に対応することができないことがある。

助言や指導があればできる

社会生活に必要な手続きや公共施設・交通機関の利用にあたって、各々の目的や基本的なルールの理解が不十分であり、経常的な助言や指導がなければ、ルールを守り、周囲の状況に合わせた行動ができない。

助言や指導をしてもできない若しくは行わない

社会生活に必要な手続きや公共施設・交通機関の利用にあたって、その目的や基本的なルールを理解できない、あるいはしようとしない。そのため、助言・指導などの支援をしても、適切な行動ができない、あるいはしようとしない。

 

2 日常生活能力の程度

(精神障害)
(1)精神障害を認めるが、社会生活は普通にできる。
(2)精神障害を認め、家庭内での日常生活は普通にできるが、
   社会生活には、援助が必要である。
(3)精神障害を認め、家庭内での単純な日常生活はできるが、時
   に応じて援助が必要である。

(4)精神障害を認め、日常生活における身のまわりのことも、多く
   の援助が必要である。
(5)精神障害を認め、身のまわりのこともほとんどできないため、
   常時の援助が必要である。
 

 

3 ガイドラインの適用

厚生労働省に「精神・知的障害に係る障害年金の認定の地域差に関する専門家検討会」が設置され、障害年金の認定に地域差による不公平が生じないようにするため、ガイドラインを策定し、2016年9月1日に施行されました。
 

障害等級の目安
 

            程度
判定平均

    (5)

     (4)

    (3)

   (2)

   (1)

      3.5以上

   1級

 1級又は2級

 

 

 

 3.0以上3.5未満

 1級又は2級

      2級

     2級

 

 

 2.5以上3.0未満

 

      2級

 2級又は3級

 

 

 2.0以上2.5未満

 

      2級

 2級又は3級

 3級 又は
 3級非該当

 

 1.5以上2.0未満

 

 

     3級

 3級 又は
 3級非該当

 

     1.5未満

 

 

 

 3級非該当

 3級非該当


《表の見方》
 1.「判定平均」は、診断書の記載項目である、上記2の「日常生活能力の判定」の4段
  階評価について、1.適切な食事~7.社会性の7項目について、それぞれ程度の軽いほう
  から1~4点の点数をつけ、その平均を算出したものです。
 2.「程度」は、診断書の記載項目である、上記3の「日常生活能力の程度」の5段階評
  価を指します。
 

4 障害等級の判定

障害等級の判定は、一次的には、上記の「障害等級の目安」の表によって事務職員が判定し、
それを参考にして二次的に認定医が総合評価を行います。
総合判定の結果、目安と異なる判定になる場合もあり得るが、その場合には合理的で明確な理由が必要であることが明記されています。


上述の通り、診断書の日常生活状況についての医師の評価が、受給可否や等級の基本となります。診断書作成を依頼するに当たっては、日常生活状況(単身で生活していると仮定した場合)を具に診断書作成医に伝え、その内容を正確に反映した診断書を作成していただくことが大変重要です。


 

 

 

 

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