社会的治癒を主張して厚生年金での請求をしたいが?

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社会的治癒を主張して厚生年金での請求をしたいが?

阿部 久美のブログ

現在、私が請求をサポートしている男性は15歳の時に躁うつ病と診断され、通院と薬物療法を開始されたのですが、3年後、ご自身の判断で通院を中断されました。

中断2年後から、ドラッグストアのアルバイトを始め、1年後にはアルバイトながら社会保険(健康保険、厚生年金)を付保されるようになったのですが、その3年後から症状が再発、依然かかった病院に通院し薬物療法を再開されました。

その後、通院・服薬しながらも勤務を続けられ正社員に採用されたのですが、異動した新しい職場の人間関係で大きなストレスが生じ、病状が悪化、いくつかの病院に通い、入院も経験し、休職期間を経て結局退社されました。

 

ご本人は3級から受給できる障害年金で請求をしたいと思っておられ、そのためには、凡そ6年間の通院中断を社会的治癒として、厚生年金加入中の再診を初診日として主張しあいと思っていらっしゃいました。

社会的治癒とは

社会的治癒とは、医療を行う必要がなくなり社会復帰して、無症状で医療を受けることなく相当期間(傷病にもよりますが、約5年程度)経過している場合に、前の傷病と後の傷病を分けて取り扱う考え方です。

以前に受診していたが、社会的に治癒しているため、後で受診した医療機関を初診日として主張することが社会的治癒の主張です。

無症状で医療を行う必要がなかった期間については、厳密に5年と決まっているものではありません。

そのため、未受診の期間が4年ほどであっても、社会的治癒を主張して請求することは可能となっています。

ただし、この社会的治癒については、請求する側が主張し、保険者が認めるか否かを判断するため、必ずしも認められるとは限りません。

社会的治癒を主張して申請をすることは可能ですが、それが認められるかについては、保険者の判断によります。

この男性の場合、未受診の期間は6年ほどありますが、当時のかかりつけ医と相談の上治療中断に至ったものではなく、自己判断で通院・服薬を中止しており、中止後2年間は引きこもりがちの生活を送っていたとのことです。

働き始めてから、通院再開まで4年、そのうちで厚生年金に加入していたのは3年ですので、社会的治癒が認められるかの見通しは極めて難しいと言わざるを得ません。

社会的治癒を主張しても、裁定請求の段階でそれが認められるとは考えにくく、審査請求、再審査請求で争うことになる確率大であり、そこまでやっても勝算は薄いと思われます。

また、却下の決定後、当初の初診日を主張して再請求を行い認められたとしても、障害基礎年金の受給開始は数か月遅れてしまいます。

そのあたりをよく説明し、今回は社会的治癒を主張しての障害厚生年金の請求ではなく、15歳時を初診とする20歳前障害による障害基礎年金の請求とすることにしました。

双極性障害の認定基準並びに認定の仕組みは、以下の通りです。
 

双極性障害の認定基準

  • 1級…高度の気分、意欲・行動の障害及び高度の思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、常時の援助が必要なもの
  • 2級…気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、日常生活が著しい制限を受けるもの
  • 3級…気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、その病状は著しくないが、これが持続したりまたは繰り返し、労働に制限を受けるもの

     

精神の障害の認定の仕組み

日常生活動作、即ち、

  1. 適切な食事
  2. 身辺の清潔保持
  3. 金銭管理と買い物
  4. 通院と服薬
  5. 他人との意思伝達及び人間関係
  6. 身辺の安全保持及び危機対応
  7. 社会性

の7つの項目についてそれぞれ4段階で評価しその平均と総合評価(日常生活能力の程度)の組み合わせで目安が立てられます。

上記を目安に働けているかどうかや生活環境(一人暮らしができているか)等を考慮して、総合的に判定されます。

一般企業で働いている場合(障害者雇用制度による就労を含む)でも仕事の内容が、管理者や指導員の常時の見守りの下での単純かつ反復的な作業であり、他の従業員との意思疎通が困難で、状況にそぐわない行動がある時は、働いていることをもって日常生活能力が向上したとは見ません。

また、一人で生活している場合であっても親兄弟や生活指導員などが頻繁に訪問し、サポートしている場合には一人暮らしができているとは見なしません。

医師に状況を伝えることが大切です。

上記日常生活の状況(何ができて何ができないのか)や就労状況、一人暮らしの場合は受けているサポートを、診断書作成医にしっかり伝え、診断書の評価に反映してもらうことが大切です。
必要に応じて職場の上司や管理者、肉親や支援員の方に状況を説明する書面の作成をお願いし参考資料として提出する場合もあります。
 

 

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