徳島市在住、63歳で直腸がんの手術をされストーマを設置された男性からのお問い合わせ
阿部 久美のブログ

今日は徳島市にお住まいで、現在63歳、直腸がんの手術をされストーマを設置された男性からのお問い合わせを頂きました。
この男性は、60歳までは厚生年金に加入し、会社勤めをされていましたが、その会社を定年後、今は系列の子会社で働いておられます。
会社の健診で異常を指摘され、直腸検査の結果直腸がんを指摘され、手術を受けられストーマを設置されたそうです。
「この状態で障害年金を受給できるのでしょうか?」というご質問です。
ストーマを造設されている場合は、以下の通りに認定されます。
〇人工肛門を造設したものの障害年金の認定について
人工肛門を造設したものは原則として3級と認定されます。
また、次のものは、2級と認定されます。
・人工肛門を造設し、かつ、新膀胱を造設したもの又は尿路変更術を施したもの
・人工肛門を造設し、かつ、完全排尿障害(カテーテル留置又は自己導尿の常時施行を必要とする)
状態のもの
※なお、全身状態、術後の経過及び予後、原疾患の性質、進行状況等により総合的に判断され、
さらに上位等級に認定されます。
上記の通り、人工肛門を造設された場合、原則として障害年金3級に認定されますが、障害年金3級は、
障害厚生年金にしかない等級となっています。
〇障害基礎年金と障害厚生年金の障害等級について
・障害基礎年金…1級および2級
・障害厚生年金…1級、2級、3級および障害手当金
そのため、障害年金3級の認定を受けるためには、障害厚生年金の申請である必要があり障害基礎年金
での請求の場合には、上述の「新膀胱造設、尿路変更術、完全排尿障害」にも該当する必要があります。
〇障害厚生年金か障害基礎年金か
障害厚生年金を受給できるか、障害基礎年金の受給となるかは、初診日に加入していた年金制度によって決まります。
1、初診日が厚生年金被保険者期間中にある場合は、障害厚生年金
2、初診日が国民年金被保険者期間中にある場合は、障害基礎年金
3、初診日が20歳前または60歳以上65歳未満(国内に住んでいる方のみ)の年金未加入期間にある場合は、障害基礎年金
今回の相談者様の初診日は63歳とのことですので上記3、に該当し障害基礎年金の請求となります。
その為、障害の状態が上記認定基準の2級に該当しない場合、人工肛門を造設されていたとしても、
それのみでは障害年金を受給することができません、とお話ししました。
〇何時から請求できるか
ストーマ増設の場合造設日から起算して6か月を経過した日から請求は可能になります。
初診日が2022年6月10とのことですから、造設日は、当然その後のことになると思います。
となると、現時点で請求はできず、造設日から6か月を経過する日が到来すれば請求自体はできることに
なります。
〇63歳初診日時点での「保険料納付要件」はどう判断するか
初診日の前日において以下の1または2を満たしている必要があります。
1.初診日の属する月の前々月までの公的年金の加入期間の3分の2以上の期間について、保険料が納付
または免除されていること
2.初診日において65歳未満であり、初診日の属する月の前々月までの直近1年間に保険料の未納期間が
ないこと
今回のご相談の場合初診日は63歳とのことであり国民年金の加入対処年齢範囲外であり上記の「初診日
の前日において」を「60歳お誕生日の前々日において」に読み替えて「保険料納付要件」を判断され
ます。
「保険料納付要件」を満たしていないと請求自体ができません。
今回のご質問者様の場合、60歳までお勤めであったとのことですから、納付要件には問題ないものと
思われます。
〇また、過去に厚生年金加入期間がおありですから。仮に障害年金の受給権が得られたとしても、今後、
特別支給の老齢厚生年金を受給される場合には両者の調整が行われ、65歳までは有利な方を受給する
ことになることもお話ししました。
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障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
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