徳島市在住、3年前から人工透析施行の男性から遡及請求についてのご質問
阿部 久美のブログ

今日は徳島市にお住まいで、3年前から人工透析施行の男性から遡及請求についてのご質問をいただきました。
この男性は5年前に糖尿病と診断され、3年前から人工透析を開始されたそうです。
障害年金がもらえることを御存じなく、去年申請をしたのですが、年金の支払いは申請した日の翌月からとなっていたそうで。
「それ以前の障害年金は、遡及請求をすることは可能でしょうか?」というご質問です。
障害年金において、さかのぼって請求することを遡及請求といいます。
遡及請求とは
遡及請求とは、障害認定日に障害等級に該当しているが、
知らなかったなどの理由で、障害認定日から1年以上経過して請求するものです。
障害認定日から3か月以内の診断書を取得することができれば、
遡及請求を行うことができます。
障害認定日とは
障害の程度の認定を行うべき日をいい、原則として、
- 初診日から起算して1年6月を経過した日
- 傷病が治った日(その症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った日を含む)
のいずれか早い日となります。
初診日とは
初診日とは、障害の原因となった傷病について、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。
具体的には次のような場合が初診日とされます。
- 初めて診療を受けた日(治療行為又は療養に関する指示があった日)
- 同一の傷病で転医があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日
- 過去の傷病が治癒し同一傷病で再度発症している場合は、再度発症し医師等の診療を受けた日
- 傷病名が確定しておらず、対象傷病と異なる傷病名であっても、同一傷病と判断される場合は、他の傷病名の初診日が対象傷病の初診日
- 障害の原因となった傷病の前に、相当因果関係があると認められる傷病があるときは、最初の傷病の初診日が対象傷病の初診日
※ただし、知的障害の場合は、出生日が初診日となります。
ご質問者様の場合、5年前の糖尿病と3年前の人工透析は、相当因果関係があると認められることが考えられるため、初診日は、糖尿病のために初めて受診した日になります。
初診日から1年6か月経過した時点では、まだ人工透析はされていないことが拝察されるため、
遡及請求では糖尿病で申請することになるでしょう。
糖尿病の認定基準は、以下の通りです。
糖尿病の認定基準
以下のすべてを満たすものについて、3級に認定されます。
- 90日以上のインスリン治療を行っている
- Cペプチド値、重症低血糖、糖尿病ケトアシドーシス、高血糖高浸透圧症候群のいずれかが一定の程度
- 日常生活の制限が一定の程度
症状、検査成績および具体的な日常生活状況等によっては、
さらに上位等級に認定されることも考えられます。
3級は厚生年金にしかない等級です。
初診日の時点で厚生年金に加入し、その時点の保険料納付要件を満たしている場合は、障害厚生年金の申請が可能となります。
障害厚生年金か障害基礎年金か
障害厚生年金を受給できるか、障害基礎年金の受給となるかは、
初診日に加入していた年金制度によって決まります。
- 初診日が厚生年金被保険者期間中にある場合は、障害厚生年金
- 初診日が国民年金被保険者期間中にある場合は、障害基礎年金
- 初診日が20歳前または60歳以上65歳未満(国内に住んでいる方のみ)の年金未加入期間にある場合は、障害基礎年金
※初診日とは…障害の原因となった傷病について、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。ただし、知的障害の場合は、出生日が初診日となります。
障害基礎年金と障害厚生年金の障害等級について
- 障害基礎年金…1級および2級
- 障害厚生年金…1級、2級および3級
「保険料納付要件」とは
初診日の前日において以下の1または2を満たしている必要があります。
- 初診日の属する月の前々月までの公的年金の加入期間の3分の2以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
- 初診日において65歳未満であり、初診日の属する月の前々月までの直近1年間に保険料の未納期間がないこと
※20歳前に初診日がある場合は、保険料納付要件は問われません。
これらのことを踏まえて、遡及請求を検討されてはいかがでしょうか、とお話ししました。
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障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
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