徳島市在住、高次脳機能障害で手帳3級の男性からのお問い合わせ
阿部 久美のブログ

今日は、徳島市在住、高次脳機能障害で手帳3級をお持ちの男性から以下の様なお問い合わせをいただきました。
「高次脳機能障害で手帳が3級だと障害基礎年金2級以上は無理なのでしょうか?私は小学生の時、脳の病気から高次脳機能障害となりました。軽度の記憶障害があり、精神保健福祉手帳3級を交付されています。障害者雇用でも就職先が見つからず、アルバイトを転々としています。
市役所で障害年金の相談をしましたが、私は基礎年金の請求になるので2級以上にならないともらえないが、手帳が3級なので論外という扱いを受けました。
手帳が3級だと障害基礎年金2級以上は無理なのでしょうか?」というご質問です。
高次脳機能障害で手帳が3級であっても、障害基礎年金2級が受けられる可能性は考えられます。
精神保健福祉手帳と障害年金について
精神保健福祉手帳と障害年金は、根拠法も審査機関も認定基準も異なる全く別の制度であり、両者の等級は連動するものではありません。
高次脳機能障害とは、脳損傷に起因する認知障害全般を指し、日常生活または社会生活に制約があるものが認定の対象となります。
次の認定基準の2級以上に該当する場合、障害基礎年金が受給できます。
高次脳機能障害の認定基準
【1級】
- 高度の認知障害、高度の人格変化、その他の高度の精神神経症状が著明なため、常時の援助が必要なもの
【2級】
- 認知障害、人格変化、その他の精神神経症状が著明なため、日常生活が著しい制限を受けるもの
【3級】
- 認知障害、人格変化は著しくないが、その他の精神神経症状があり、労働が制限を受けるもの
- 認知障害のため、労働が著しい制限を受けるもの
精神の障害で審査される主な項目について
日常生活動作、即ち、
- 適切な食事
- 身辺の清潔保持
- 金銭管理と買い物
- 通院と服薬
- 他人との意思伝達及び人間関係
- 身辺の安全保持及び危機対応
- 社会性
の7つの項目についてそれぞれ4段階で評価しその平均と総合評価(日常生活能力の程度)の組み合わせで目安が立てられます。
上記を目安に働けているかどうかや生活環境(一人暮らしができているか)等を考慮して、総合的に判定されます。
一般企業で働いている場合(障害者雇用制度による就労を含む)でも仕事の内容が、管理者や指導員の常時の見守りの下での単純かつ反復的な作業であり、他の従業員との意思疎通が困難で、状況にそぐわない行動がある時は、働いていることをもって日常生活能力が向上したとは見ません。
また、一人で生活している場合であっても親兄弟や生活指導員などが頻繁に訪問し、サポートしている場合には一人暮らしができているとは見なしません。
医師に状況を伝えることが大切です。
上記日常生活の状況(何ができて何ができないのか)や就労状況、一人暮らしの場合は受けているサポートを、診断書作成医にしっかり伝え、診断書の評価に反映してもらうことが大切です。
必要に応じて職場の上司や管理者、肉親や支援員の方に状況を説明する書面の作成をお願いし参考資料として提出する場合もあります。
先程「精神保健福祉手帳と障害年金の両者の等級は連動するものではありません。」と書きましたが、障害年金側から精神保健福祉手帳側へ向けては一部連動しています。
現在、精神保健福祉手帳3級をお持ちとのことですので、障害基礎年金(2級以上)が認定されると、精神保健福祉手帳の等を2級に上げるための申請の際に、年金証書と支給通知書の写しを提出することによって、手帳の等級アップ申請の為の医師の診断書が省略でき、等級も年金と同じになります。
とは言え、障害基礎年金が認定されると自動的に精神保健福祉手帳の等級がアップするわけではなく、お住まいの地域の障害福祉課での申請は必要です。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
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