徳島市在住、自閉症スペクトラム障害(ASD)の男性からのお問い合わせ
阿部 久美のブログ

徳島県徳島市在住の33歳の男性からご相談いただきました。
この男性は大学を卒業後民間企業に就職されました。管理職に就いた一昨年の10月頃から職場での人間関係に悩むようになったそうです。
それまでは、個人でする仕事で自分のペースで進められたのですが、部下ができるとチーム全体を把握して仕事を進めなければなりません。
ところがこの男性は部下と話をしても、部下が言っていることや思っていることが全く理解できないそうです。
また、仕事の進め方や、道具の置き方も自分が決めた通りになっていないと、イライラして一歩も進めなくなるとのことです。
お連れ合いの方からも「貴方は私の言うことなど何も聞いていないし私に興味を持っていない」等と指摘され心療内科への受診を強く勧められ、受診されたところ自閉症スペクトラム障害(ASD)の診断を受けたとのことです。
そのためこの疾患でも障害年金の請求ができるかどうかが気になりご質問されたそうです。
自閉症スペクトラム障害(ASD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)等の発達障害も障害認定の対象となります。
また、知的障害を伴っていない場合には、発達障害で最初に医師の診断を受けた日を初診日とするとされています。
この男性の場合には、会社にお勤めになってからの初診ですから障害給付(厚生年金)の請求が可能です。
ASDの認定基準や認定の仕組みについて、以下の内容をお話ししました。
発達障害の認定基準
1級…発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が欠如しており、かつ、著しく不適応な行動がみられるため、日常生活への適応が困難で常時援助を必要とするもの
2級…発達障害があり、社会性やコミュニケーションの能力が乏しく、かつ、不適応な行動がみられるため、日常生活への適応に当たって援助が必要なもの
3級…発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が不十分で、かつ、社会行動に問題がみられるため、労働が著しい制限を受けるもの
精神の障害で審査される主な項目について
日常生活動作、即ち、
- 適切な食事
- 身辺の清潔保持
- 金銭管理と買い物
- 通院と服薬
- 他人との意思伝達及び人間関係
- 身辺の安全保持及び危機対応
- 社会性
の7つの項目についてそれぞれ4段階で評価しその平均と総合評価(日常生活能力の程度)の組み合わせで目安が立てられます。
上記を目安に働けているかどうかや生活環境(一人暮らしができているか)等を考慮して、総合的に判定されます。
一般企業で働いている場合(障害者雇用制度による就労を含む)でも仕事の内容が、管理者や指導員の常時の見守りの下での単純かつ反復的な作業であり、他の従業員との意思疎通が困難で、状況にそぐわない行動がある時は、働いていることをもって日常生活能力が向上したとは見ません。
また、一人で生活している場合であっても親兄弟や生活指導員などが頻繁に訪問し、サポートしている場合には一人暮らしができているとは見なしません。
医師に状況を伝えることが大切です。
上記日常生活の状況(何ができて何ができないのか)や就労状況、一人暮らしの場合は受けているサポートを、診断書作成医にしっかり伝え、診断書の評価に反映してもらうことが大切です。
必要に応じて職場の上司や管理者、肉親や支援員の方に状況を説明する書面の作成をお願いし参考資料として提出する場合もあります。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
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