徳島市在住、精神面での不調なるも病名が定まっていない女性からのご相談
阿部 久美のブログ

今日は徳島市にお住まいで、精神面での不調に悩まされ、通院しておられるのですが、病名が定まっていない女性からご相談をいただきました。
この女性は、2年くらい前から心療内科に通っていますが、特に診断名は告げられておらず、最初の頃に「不安障害かなあ」と言われたくらいで、処方は睡眠薬だけとのことです。
パートで働いていますが、眠れず体がだるい時に休むことも多く、家事もできないことの方が多く、夫が家のことをしてくれているそうです。
「幸い子供はいないのでなんとか生活できていますが、何のために生きているかわからなくなります。せめて障害年金が受給できればと思うのですが、私のような状態で障害年金は受給できるのでしょうか?」というご質問です。
ご質問者様の場合、2年ほど前から心療内科に通っているとのことですので、障害年金の申請の可能性は考えられます。
障害年金は、初診日が明確で、初診日の時点で一定の保険料を納め、初診日から1年6か月経過した日(障害認定日といいます)の時点で障害の状態が認定基準に該当する程度であれば受給できます。
初診日とは
障害の原因となった傷病について、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。
保険料納付要件とは
初診日の前日において以下の1または2を満たしている必要があります。
- 初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
- 初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと
※ただし、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件はありません。
障害認定日とは
障害の程度の認定を行うべき日をいい、原則として、
- 初診日から起算して1年6月を経過した日
- 傷病が治った日(その症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った日を含む)
のいずれか早い日となります。
ただし、診断名が確定せず、診断書が空欄の場合は、認定を得ることは難しいでしょう。
また、診断名が不安障害の場合も、認定を得ることは難しいでしょう。
不安障害などの神経症にあっては、原則として認定の対象とされていません。
神経症の障害年金での取り扱いについて
神経症にあっては、その症状が長時間持続し、一見重症なものであっても、原則として、認定の対象とはなりません。
「神経症にあっては原則として認定対象とならない」とは、その傷病による障害については、それがどのようなものであっても、その状態をもって、障害等級に該当する程度以上の障害の状態にあたるものとはしない、との趣旨となっております。
ただし、その臨床症状から判断して精神病の病態を示しているものについては、統合失調症または気分障害に準じて取り扱うとされ、例外的に認定の対象となります。
強迫性障害については再審査請求で支給となった裁決もあります。
不安障害ではなく、うつ病や双極性障害などの診断名であれば、認定の対象となっています。
改めて診断名を確認し、以下の認定基準などを参考に申請をご検討されてはいかがでしょうか、とお話ししました。
精神の障害の認定基準
- 1級…精神の障害であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
- 2級…精神の障害であって、日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
- 3級…精神に、労働が著しい制限を受けるか又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
精神の障害で審査される主な項目について
日常生活動作、即ち、
- 適切な食事
- 身辺の清潔保持
- 金銭管理と買い物
- 通院と服薬
- 他人との意思伝達及び人間関係
- 身辺の安全保持及び危機対応
- 社会性
の7つの項目についてそれぞれ4段階で評価しその平均と総合評価(日常生活能力の程度)の組み合わせで目安が立てられます。
上記を目安に働けているかどうかや生活環境(一人暮らしができているか)等を考慮して、総合的に判定されます。
一般企業で働いている場合(障害者雇用制度による就労を含む)でも仕事の内容が、管理者や指導員の常時の見守りの下での単純かつ反復的な作業であり、他の従業員との意思疎通が困難で、状況にそぐわない行動がある時は、働いていることをもって日常生活能力が向上したとは見ません。
また、一人で生活している場合であっても親兄弟や生活指導員などが頻繁に訪問し、サポートしている場合には一人暮らしができているとは見なしません。
医師に状況を伝えることが大切です。
上記日常生活の状況(何ができて何ができないのか)や就労状況、一人暮らしの場合は受けているサポートを、診断書作成医にしっかり伝え、診断書の評価に反映してもらうことが大切です。
必要に応じて職場の上司や管理者、肉親や支援員の方に状況を説明する書面の作成をお願いし参考資料として提出する場合もあります。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
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