徳島市在住、慢性脱髄性炎症性多発神経炎の方からのお問い合わせ。
阿部 久美のブログ

今日は徳島市にお住まいの、慢性脱髄性炎症性多発神経炎の方からお問い合わせを頂戴しました。
ご相談者様は3年前に慢性炎症性脱髄性多発神経炎であることがわかって、以降、病勢が進行しており、今は杖を使って生活しておられるそうです。
「会社では階段には手すりがありますし、元々事務の仕事なので続けられていますが、腕の筋力も落ちていて、杖を使うこともしんどくなってきました。もし車いすになったら仕事は続けられないかも知れません。こんな状態ですが障害年金の可能性はあるのでしょうか?」というお問い合わせです。
慢性炎症性脱髄性多発神経炎により肢体の障害があることが拝察されるため、
下記の支給要件を満たし、障害の状態が認定基準に該当する程度であれば、
障害年金が支給される可能性が考えられます。
障害年金を受給するための3つの条件
- 初診日要件…障害の原因となった病気やケガを医者か歯科医師に診てもらった日は、国民年金と厚生年金のどちらに加入していたか
- 保険料納付要件…一定以上の年金保険料を納めているかどうか。
- 障害認定日要件…厚生労働省が定めた「障害の基準」を満たしているかどうか
「初診日要件」とは
初診日は、国民年金と厚生年金のどちらに加入していたか、
その加入していた制度によって、もらえる年金の種類が決まります。
- 初診日が厚生年金被保険者期間中にある場合は、障害厚生年金
- 初診日が国民年金被保険者期間中にある場合は、障害基礎年金
- 初診日が20歳前または60歳以上65歳未満(国内に住んでいる方のみ)の年金未加入期間にある場合は、障害基礎年金
※初診日とは…
障害の原因となった傷病について、
初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。
具体的には次のような場合が初診日とされます。
- 初めて診療を受けた日(治療行為又は療養に関する指示があった日)
- 同一の傷病で転医があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日
- 過去の傷病が治癒し同一傷病で再度発症している場合は、再度発症し医師等の診療を受けた日
- 傷病名が確定しておらず、対象傷病と異なる傷病名であっても、同一傷病と判断される場合は、他の傷病名の初診日が対象傷病の初診日
- 障害の原因となった傷病の前に、相当因果関係があると認められる傷病があるときは、最初の傷病の初診日が対象傷病の初診日
※ただし、知的障害の場合は、出生日が初診日となります。
「保険料納付要件」とは
初診日の前日において以下の1または2を満たしている必要があります。
- 初診日の属する月の前々月までの公的年金の加入期間の3分の2以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
- 初診日において65歳未満であり、初診日の属する月の前々月までの直近1年間に保険料の未納期間がないこと
※20歳前に初診日がある場合は、保険料納付要件は問われません。
障害認定日とは
障害認定日とは、障害の程度の認定を行うべき日をいい、原則として、
- 初診日から起算して1年6月を経過した日
- 傷病が治った日(その症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った日を含む)
のいずれか早い日となります。
慢性炎症性脱髄性多発神経炎の典型的な症状としては、
左右対称性に腕が上がらない、握力が低下して箸が思うようにつかえない、
階段がうまく登れない、転びやすい、などがあると言われています。
四肢の筋力低下により、肢体の機能に障害がある場合は、
以下の認定基準によって審査されることが考えられます。
肢体の障害の認定について
肢体の機能の障害の程度は、
関節可動域、筋力、巧緻性、速さ、耐久性を考慮し、
日常生活における動作の状態から身体機能を総合的に認定されます。
肢体の障害の認定基準
【1級】
- 一上肢及び一下肢の用を全く廃したもの
- 四肢の機能に相当程度の障害を残すもの
【2級】
- 一上肢及び一下肢の機能に相当程度の障害を残すもの
- 四肢に機能障害を残すもの
【3級】
- 一上肢及び一下肢に機能障害を残すもの
※日常生活における動作と身体機能との関連は、厳密に区別することはできませんが、
おおむね次の通りとされています。
【手指の機能】
- つまむ(新聞紙が引き抜けない程度)
- 握る(丸めた週刊誌が引き抜けない程度)
- タオルを絞る(水を切れる程度)
- ひもを結ぶ
【上肢の機能】
- さじで食事をする
- 顔を洗う(顔に手のひらをつける)
- 用便の処置をする(ズボンの前のところに手をやる)
- 用便の処置をする(尻のところに手をやる)
- 上衣の着脱(かぶりシャツを着て脱ぐ)
- 上衣の着脱(ワイシャツを着てボタンをとめる)
【下肢の機能】
- 片足で立つ
- 歩く(屋内)
- 歩く(屋外)
- 立ち上がる
- 階段を上る
- 階段を下りる
ご質問内容からは、具体的な筋力等がわかりかねますが、
現時点でも杖を使って生活をしているとのことですので、
障害等級に該当する可能性も考えられます。
上記の認定基準を参考にしていただき、申請をご検討されてはいかがでしょうか、とお話ししました。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
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