徳島市在住、心臓にペースメーカー、人工弁を入れていらっしゃる方からのお問い合わせ
阿部 久美のブログ

今日は徳島市にお住まいで、心臓にペースメーカー、人工弁を入れていらっしゃる方からお問い合わせを頂きました。
この方は女性で、心臓ペースメーカー、人工弁を装着しておられ障害者手帳1級とのことです。
以前は心疾患で2級の障害基礎年金を受給されていたそうですが、心臓ペースメーカー、人工弁を装着した後の更新で、支給停止となり障害年金のはがきには、現在停止「金額¥0円」 と書かれて届くそうです。
現在はご主人の社会保険の被保険者で無職とのこと。
「それでも障害年金は無理なんでしょうか?」というお遠い合わせです。
心臓ペースメーカー、人工弁を装着され、
身体障害者手帳1級をお持ちとのことですので、
大変な思いをされていることが推察されます。
障害年金においては、心臓ペースメーカー、人工弁を装着したものについては、
原則として3級と認定されます。
障害年金3級については、障害厚生年金にしかない等級となっています。
障害基礎年金と障害厚生年金の障害等級について
- 障害基礎年金…1級および2級
- 障害厚生年金…1級、2級、3級および障害手当金
障害厚生年金か障害基礎年金か
障害厚生年金を受給できるか、障害基礎年金の受給となるかは、
初診日に加入していた年金制度によって決まります。
- 初診日が厚生年金被保険者期間中にある場合は、障害厚生年金
- 初診日が国民年金被保険者期間中にある場合は、障害基礎年金
- 初診日が20歳前または60歳以上65歳未満(国内に住んでいる方のみ)の年金未加入期間にある場合は、障害基礎年金
今現在は、ご主人の社会保険に入っているとのことですが、
障害厚生年金か障害基礎年金かについては、
初診日に加入していた年金制度によって決まります。
初診日が国民年金被保険者期間中、もしくは20歳前等であれば、
障害基礎年金の申請となります。
なお、ご主人の扶養に入っている期間は、
同じく国民年金被保険者期間中となりますので、
障害基礎年金の申請となります。
ご質問者様の場合、障害基礎年金の請求をされていたものと推察いたします。
また、以前は障害基礎年金2級以上を受給していたが、
現在は心臓ペースメーカー、人工弁の装着により3級相当とされ、
支給停止とされているとのことです。
今後、症状が進行し、以下の状態に該当する程度となれば、
障害年金受給の可能性も考えられます。
重症心不全で、以下のペースメーカーを装着している場合
原則として2級と認定されます。
- CRT(心臓再同期医療機器)
- CRT-D(除細動器機能付き心臓再同期医療機器)
また、人工弁の場合でも、2級に認定される場合もあります。
弁疾患の認定基準
心疾患の検査での異常検査所見は以下の通りです。
区分 |
異常検査所見 |
---|---|
A |
安静時の心電図において、0.2mV以上のSTの低下もしくは 0.5mV以上の深い陰性T波(aVR誘導を除く。)の所見のあるもの |
B |
負荷心電図(6Mets 未満相当)等で明らかな心筋虚血所見があるもの |
C |
胸部X線上で心胸郭係数 60%以上又は明らかな肺静脈性うっ血所見や間質性肺水腫のあるもの |
D |
心エコー図で中等度以上の左室肥大と心拡大、弁膜症、収縮能の低下、拡張能の制限、先天性異常のあるもの |
E |
心電図で、重症な頻脈性又は徐脈性不整脈所見のあるもの |
F |
左室駆出率(EF)40%以下のもの |
G |
BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)が 200pg/ml 相当を超えるもの |
H |
重症冠動脈狭窄病変で左主幹部に 50%以上の狭窄、あるいは、3 本の主要冠動脈に 75%以上の狭窄を認めるもの |
I |
心電図で陳旧性心筋梗塞所見があり、かつ、今日まで狭心症状を有するもの |
(注 1) 原則として、異常検査所見があるもの全てについて、それに該当する心電図等を提出(添付)させること。
(注 2) 「F」についての補足
心不全の原因には、収縮機能不全と拡張機能不全とがある。
近年、心不全症例の約 40%はEF値が保持されており、このような例での心不全は左室拡張不全機能障害によるものとされている。しかしながら、現時点において拡張機能不全を簡便に判断する検査法は確立されていない。左室拡張末期圧基準値(5−12mmHg)をかなり超える場合、パルスドプラ法による左室流入血流速度波形を用いる方法が一般的である。この血流速度波形は急速流入期血流速度波形(E波)と心房収縮期血流速度波形(A波)からなり、E/A比が 1.5 以上の場合は、重度の拡張機能障害といえる。
(注 3) 「G」についての補足
心不全の進行に伴い、神経体液性因子が血液中に増加することが確認され、心不全の程度を評価する上で有用であることが知られている。中でも、BNP値(心室で生合成され、心不全により分泌が亢進)は、心不全の重症度を評価する上でよく使用されるNYHA分類の重症度と良好な相関性を持つことが知られている。この値が常に 100 pg/ml 以上の場合は、NYHA心機能分類で2度以上と考えられ、200 pg/ml 以上では心不全状態が進行していると判断される。
(注 4) 「H」についての補足
すでに冠動脈血行再建が完了している場合を除く。
【1級】
以下2点を満たすもの
- 病状(障害)が重篤で安静時においても、心不全の症状(NYHA心機能分類クラス4)を有する
- 身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの
【2級】
以下4点を満たすもの
- 人工弁を装着術後、6か月以上経過している
- 病状をあらわす臨床所見が5つ以上
- 異常検査所見が1つ以上
- 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの、または、身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の 50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの
以下3点を満たすもの
- 上記異常所見のA,B,C,D,E,Gのうち2つ以上の所見がある。
- 心不全の病状をあらわす臨床所見が5つ以上ある。
- 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの、または、身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の 50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの
【3級】
以下1点を満たすもの
- 人工弁を装着したもの
以下3点を満たすもの
- 上記異常所見のA,B,C,D,E,Gのうち1つ以上の所見がある
- 心不全の病状をあらわす臨床所見が2つ以上ある。
- 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの、または、歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの
上記の認定基準に該当する程度であれば、
障害年金の申請を検討されてはいかがでしょうか、とお話ししました。
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障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
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