徳島市在住、うつ病の女性から障害年金を受けると老齢年金が下がるのかというご質問
阿部 久美のブログ

今日は徳島市にお住まいで、うつ病との診断を受けている「女性から障害年金を受けると老齢年金が下がるのか」というご質問をいただきました。
この女性は現在、43歳専業主婦ですが、うつ病のためふさぎ込むことが多く、パートすら働きに出ることができないそうです。
学齢期のの子どもさんもおられ、ご主人の収入だけで厳しいので障害年金を受けたいと考えましたが、お知り合いの方に「障害年金を受けると老齢年金の額がかなり下がる」と言われたそうです。
そこで「老後のことより今が苦しいので、障害年金を受ける方がいいと思うのですが、障害年金を受けると老齢年金はどのくらい下がるのでしょうか?」という「お問い合わせをいただきました。
障害年金は老齢年金の先取りではありません。
そのため、障害年金を受けることで、直接老齢年金の額が下がることはありません。
ただし、障害年金2級以上を受けられる方は、国民年金保険料の法定免除を受けることができます。
国民年金保険料の法定免除を受けた場合は、老齢基礎年金の受給額が減ることになります。
法定免除とは
次に該当する「国民年金の第1号被保険者」は、届け出れば保険料が免除されます。
- 障害年金1級または2級を受けている
- 生活保護の生活扶助を受けている
- 国立及び国立以外のハンセン病療養所などで療養している
この国民年金保険料が免除となっている期間については、老齢基礎年金の額は、2分の1を納付したものとして計算されます。
そのため、将来の老齢基礎年金受給額は満額ではなくなります。
どのくらい下がるかについては、法定免除を受けた期間によります。
仮に20歳から60歳までの40年間すべて法定免除とした場合、老齢基礎年金の額は半分になります。
しかし、将来のことを考えて法定免除を受けず、保険料を納めることも可能です。
そうすれば老齢基礎年金の額が下がることはありませんが納める保険料は半額ではなく全額です。
このように、障害年金を受けることが、直接老齢基礎年金の減額の要因になるわけではなく、保険料の法定免除を受けることによって老齢基礎年金の額が下がる、ということになります。
ご質問者様の場合、働きに出られず金銭的に苦しいとのことですので、下記の認定基準等を参考にしていただき、障害年金の申請についてご検討されてはいかがでしょうか、とお話ししました。
うつ病の認定基準
- 1級…高度の気分、意欲・行動の障害及び高度の思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、常時の援助が必要なもの
- 2級…気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、日常生活が著しい制限を受けるもの
- 3級…気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、その病状は著しくないが、これが持続したりまたは繰り返し、労働に制限を受けるもの
精神の障害で審査される主な項目について
日常生活動作、即ち、
- 適切な食事
- 身辺の清潔保持
- 金銭管理と買い物
- 通院と服薬
- 他人との意思伝達及び人間関係
- 身辺の安全保持及び危機対応
- 社会性
の7つの項目についてそれぞれ4段階で評価しその平均と総合評価(日常生活能力の程度)の組み合わせで目安が立てられます。
上記を目安に働けているかどうかや生活環境(一人暮らしができているか)等を考慮して、総合的に判定されます。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
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