吉野川市在住、統合失調症の女性からのご相談
阿部 久美のブログ

今日は吉野川市在住の統合失調症の女性からご相談を頂きました。
この女性は5年ほど前に統合失調症との診断を受け、昨年12月にご自身で障害基礎年金の請求を提出されました。今年の4月末に「不支給」の決定が送られてきた為ご相談に及ばれたそうです。
まずは「不支給」決定となった原因を探ることが第一歩です。この女性は提出した書類の控えをお持ちでしたのでそれを拝見させていただきました。
精神の障害の場合には「障害認定ガイドライン」が等級認定の目安とされています。診断書では日常生活能力の平均が2.8、程度が3とされておりこれをガイドラインに当てはめると2級又は3級となります。
2級と認定される可能性もあったわけですが、さらに細かく見ていくと、一般企業で週5日勤務していること、お一人でお住まいであることがわかりました。
正確なところは障害状態認定調書という決定のもとになった書類を情報開示請求して確認しないことにはわかりませんが、おそらくこの二つの要因で2級不該当の判断となったものでしょう。
精神の障害の場合の認定の仕組みは以下の通りです。
精神の障害で審査される主な項目について
日常生活動作、即ち、
- 適切な食事
- 身辺の清潔保持
- 金銭管理と買い物
- 通院と服薬
- 他人との意思伝達及び人間関係
- 身辺の安全保持及び危機対応
- 社会性
の7つの項目についてそれぞれ4段階で評価しその平均と総合評価(日常生活能力の程度)の組み合わせで目安が立てられます。
上記を目安に働けているかどうかや生活環境(一人暮らしができているか)等を考慮して、総合的に判定されます。
一般企業で働いている場合(障害者雇用制度による就労を含む)でも仕事の内容が、管理者や指導員の常時の見守りの下での単純かつ反復的な作業であり、他の従業員との意思疎通が困難で、状況にそぐわない行動がある時は、働いていることをもって日常生活能力が向上したとは見ません。
また、一人で生活している場合であっても親兄弟や生活指導員などが頻繁に訪問し、サポートしている場合には一人暮らしができているとは見なしません。
医師に状況を伝えることが大切です。
上記日常生活の状況(何ができて何ができないのか)や就労状況、一人暮らしの場合は受けているサポートを、診断書作成医にしっかり伝え、診断書の評価に反映してもらうことが大切です。
必要に応じて職場の上司や管理者、肉親や支援員の方に状況を説明する書面の作成をお願いし参考資料として提出する場合もあります。
精神障害で就労している場合の日常生活能力の判断について
就労していることをもって直ちに日常生活能力が向上したものとは捉えず、その療養状況を考慮するとともに、
- 仕事の種類
- 仕事の内容
- 就労状況
- 仕事場で受けている援助の内容
- 他の従業員との意思疎通の状況
等を十分確認したうえで日常生活能力を判断されます。
異議申し立てをするにせよ、新たに診断書をとって再度請求を提出するにせよ、この就労の実態がどのようなものであるか、即ち周囲の理解や援助を受けて何とか勤められているという状態かどうか、仕事中や時間後の周囲の人とのコミュニケーションはどの程度か等を確認すること。そして一人暮らしについても、だれかサポートしてくれる人があって成立しているのではないかという事などを確認することが必要になります。
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障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
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