人工透析を受けているが、糖尿病の初診日が明らかでない場合。
阿部 久美のブログ

今日は、徳島市在住で、現在、腎不全で人工透析を受けておられる男性からご相談をいただきました。
この男性は会社で働いていた10年ほど前から、糖尿を指摘され、薬を飲み始めたそうですが、だんだんと腎機能の数値が悪化し、昨年末から人工透析を開始されたそうです。
糖尿での初診はうろ覚えだが、障害年金をもらえるだろうかということで、ご相談いただきました。
〇障害年金を受給するためには以下の3つの条件があります。
1.初診日要件…障害の原因となった病気やケガを医者か歯科医師に診てもらった日は、国民年金と厚生年金のいずれに加入しており、かつ、その日が特定できるか。
2.保険料納付要件…一定以上の年金保険料を納めているかどうか。
3.障害程度要件…厚生労働省が定めた「障害の基準」を満たしているかどうか
〇3条件についての検討
ご相談者様の場合、2、保険料納付要件と3、障害程度要件は満たしておられると存じます。因みに障害認定基準によると「人工透析施行中の者は2級とする」とされています。
〇ポイントは1の初診日要件です。障害年金を請求するためには初診日を主張し、証明しなければなりません。
「初診日はうろ覚えで…」とのことですが、幸いにその病院は今も存在するとのことですので初診日当時のカルテの有無と、それに基づいて初診日の証明を書いていただけるかどうかを、その病院に確認していただくことをお願いしました。
〇仮にカルテが既に廃棄されていたとしてもあきらめる必要はありません。
〇具体的に、次の場合には、審査の上、本人の申し立てた初診日が認められます。
1.初診日について第三者(隣人、友人、民生委員など)が証明する書類があり、他にも参考資料が提出された場合
2.初診日が一定の期間にあることを示す参考資料が提出され、保険料納付要件など一定の条件を満たしている場合
3.請求の5年以上前に医療機関が作成した資料(診療録等)に請求者申立ての初診日が記載されている場合
※第三者(三親等以内の親族は認められません)による確認項目は、以下の通りです。
1.発症から初診日までの症状の経過
2.初診日頃における日常生活上の支障度合い
3.医療機関の受診契機
4.医師からの療養の指示など受診時の状況
5.初診日頃の受診状況を知り得た状況 など
病院のカルテはなくとも通院等の事実を機械上に記録したサマリーや診察券があれば、初診日を証明するのに参考となる書類となる可能性があります。
初診日は、請求人が参考資料等によりできる限り証明をし、保険者が認定するものとなっています。
糖尿病性腎症の場合、糖尿病の発病から人工透析実施に至るまでの期間が長期にわたることが多く、初診日の特定が難しいケースが何件もありました。
そのような場合には、私が直接その病院を訪ねて何らかの資料やカルテの記述が残っていないかを調査したり、或いはお知り合いの方にお会いして第三者証明へのご協力をお願いし、初診日が認められたケースも複数あります。
あきらめずに、請求に向かってご一緒に調査しましょうとお話ししました。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
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