アルツハイマー病で初の治療薬「アデュカヌマブ」承認
阿部 久美のブログ

認知症の半数以上を占めるアルツハイマー型認知症には、これまで症状の進行を遅らせる薬剤はありましたが治療薬はありませんでした。
6月10日、米国の会社と日本のエーザイが共同開発した「アデュカヌマブ」が米食品医薬品局によって、アルツハイマー病の病理に作用する初めて、かつ唯一の治療薬として承認されたそうです。
日本の若年性認知症の方々の約半数はアルツハイマー型認知症と言われており、これらの方々にとっても朗報です。
先日ご主人が若年性のアルツハイマーと診断されたという女性からご相談をいただきました。
家庭ではとても怒りっぽくなっており、仕事では物忘れだけでなく、段取りや手順を考えられず、このままではやがて仕事もできなくなるのではないかと心配で、障害年金の請求を思い立ち相談いただいたとのことです。
若年性アルツハイマーの方も障害年金の対象となっています。
若年性アルツハイマーの方にはご家族のサポートがどうしても必要となります。そのため、経済的な不安には早めに対処しておかれることをお勧めします。
若年性アルツハイマーに特化した認定基準は、現在作成されていませんが、精神の障害の一つである高次脳機能障害の基準を準用して認定されます。
若年性アルツハイマーの認定基準
【1級】
- 高度の認知障害、高度の人格変化、その他の高度の精神神経症状が著明なため、常時の援助が必要なもの
【2級】
- 認知障害、人格変化、その他の精神神経症状が著明なため、日常生活が著しい制限を受けるもの
【3級】
- 認知障害、人格変化は著しくないが、その他の精神神経症状があり、労働が制限を受けるもの
- 認知障害のため、労働が著しい制限を受けるもの
精神の障害の認定の仕組み
日常生活動作、即ち、
- 適切な食事
- 身辺の清潔保持
- 金銭管理と買い物
- 通院と服薬
- 他人との意思伝達及び人間関係
- 身辺の安全保持及び危機対応
- 社会性
の7つの項目についてそれぞれ4段階で評価しその平均と総合評価(日常生活能力の程度)の組み合わせで目安が立てられます。
上記を目安に働けているかどうかや生活環境(一人暮らしができているか)等を考慮して、総合的に判定されます。
一般企業で働いている場合(障害者雇用制度による就労を含む)でも仕事の内容が、管理者や指導員の常時の見守りの下での単純かつ反復的な作業であり、他の従業員との意思疎通が困難で、状況にそぐわない行動がある時は、働いていることをもって日常生活能力が向上したとは見ません。
また、一人で生活している場合であっても親兄弟や生活指導員などが頻繁に訪問し、サポートしている場合には一人暮らしができているとは見なしません。
医師に状況を伝えることが大切です。
上記日常生活の状況(何ができて何ができないのか)や就労状況、一人暮らしの場合は受けているサポートを、診断書作成医にしっかり伝え、診断書の評価に反映してもらうことが大切です。
必要に応じて職場の上司や管理者、肉親や支援員の方に状況を説明する書面の作成をお願いし参考資料として提出する場合もあります。
上記を参考に請求を検討されてはとお話ししました。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
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