てんかんを持ちながら働くということ
阿部 久美のブログ

かつて私が請求をサポートさせていただき、現在3級の厚生年金障害給付を受給中の男性からを、将来の為にも、できる範囲で働いてみたいのだけれどというご相談をいただきました。
けいれんや意識喪失などの発作が出るてんかん患者は国内に100万人いるそうです。120人に一人の割合で、決して珍しい病気ではありませんが、この病気に対する社会の理解が進んでいないため、勤め先から退職を強いられたり必要以上に仕事を制限されたりする方も多いそうです。
かかりつけ医に相談して、診断書面に仕事を続ける上での必要な配慮を記入して就労希望先に伝え、勤務先の適切なサポートを得ながら働き続けられるようにされては、とお話ししました。
てんかんによる障害認定は以下の基準によって判定されます。
てんかんの認定にあたって
てんかんの認定に当たっては、発作の重症度
(意識障害の有無、生命の危険性や社会生活での危険性の有無など)や発作頻度に加え、
発作間欠期の精神神経症状や認知障害の結果、日常生活動作がどの程度損なわれ、
そのためにどのような社会的不利益を被っているのかという、
社会的活動能力の損減を重視した観点から認定されます。
※てんかん発作については、抗てんかん薬の服用や、外科的治療によって抑制される場合にあっては、原則として認定の対象になりません。
てんかんの認定基準
【1級】
- 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが月に1回以上あり、かつ、常時の援助が必要なもの
【2級】
- 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回以上、もしくは、C又はDが月に1回以上あり、かつ、日常生活が著しい制限を受けるもの
【3級】
- 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回未満、もしくは、C又はDが月に1回未満あり、かつ、労働が著しい制限を受けるもの
(注)発作のタイプは以下の通りです。
- A:意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作
- B:意識障害の有無を問わず、転倒する発作
- C:意識を失い、行為が途絶するが、倒れない発作
- D:意識障害はないが、随意運動が失われる発作
上述通り3級には労働が著しい制限を受けるものとされていますが、就労している場合の日常生活能力について以下のように判断されます。
精神障害で就労している場合の日常生活能力の判断について
就労していることをもって直ちに日常生活能力が向上したものとは捉えず、その療養状況を考慮するとともに、
- 仕事の種類
- 仕事の内容
- 就労状況
- 仕事場で受けている援助の内容
- 他の従業員との意思疎通の状況
等を十分確認したうえで日常生活能力を判断されます。
つまりてんかんを持っていても、上述の「精神障害で就労している場合の日常生活能力の判断について」に照らし合わせて、無理のない範囲で働いて収入を得、そして厚生年金障害給付3級の認定を受けて補うことが大切で、そこに厚生年金障害給付3級の制度の狙いがある考えています。
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