うつ病による再請求の審査請求への棄却決定に対し再審査請求を提出
阿部 久美のブログ

うつ病の男性について、審査請求段階からサポートのご依頼を受け、再審査請求を提出し、先日、社会保険審査会が開催され、現在は結果待ちです。
その審査請求、再審査請求の流れと並行して、再度診断書を作成いただき再請求を行いましたが、その請求も不支給決定となり、審査請求を行っていました。
3月31日付で、近畿厚生局社会保険審査官、原田千賀がこの請求を棄却しましたので、本日、厚生労働省社会保険審査会に対し再審査請求を送付しました。
少々長くなりますが審査請求の趣旨と理由の全文を掲載します。
趣旨及び理由
- 趣旨
令和1年10月23日付け不支給決定を取消し障害基礎年金2級を認定せよ。
- 理由
・令和1年6月10日現症、〇〇〇〇○○○○○○医師作成の診断書によると日常生活能力の判定平均は3、程度は3であり、これを精神の障害等級判定ガイドラインの目安に当てはめると2級に該当する。
・同ガイドライン第3障害等級の判定3等級判定にあたっての留意事項(3)総合評価?において「診断書の記載内容に基づき個別の事案に即して総合的に評価した結果、目安と異なる等級となることもあり得るが、その場合は、合理的かつ明確な理由をもって判定する。」とされているが診断書並びに申立書面において、ガイドライン上2級に該当するにもかかわらずこれを3級と評価すべき合理的かつ明確な理由は一切存在しない。
・障害認定基準並びにガイドラインより関連部分を摘記する。
D知的障害 2級 知的障害があり、食事や身の回りのことなどの基本的な行為を行うのに援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が簡単なものに限られるため、日常生活に当たって、援助が必要なもの。
(3)知的障害の認定に当たっては、知能指数のみに着眼することなく、日常生活のさまざまな場面における援助の必要度を勘案して総合的に判断する。また、知的障害とその他認定の対象となる精神疾患が併存しているときは、併合認定の取り扱いは行わず、諸症状を総合的に判断して認定する。
(4)日常生活能力などの判定にあたっては、身体的機能及び精神的機能を考慮の上、社会的な適応性の程度によって判定するように努める。
ガイドライン 〔表2〕総合評価の際に考慮すべき要素の例
共通事項、知的障害・発達障害
知能指数を考慮する。ただし、知能指数のみに着眼することなく、日常生活の様々
な場面における援助の必要度を考慮する。
知能指数が高くても日常生活能力が低い(特に対人関係や意思疎通を円滑に行う
ことができない)場合は、それを考慮する。
療育手帳の判定区分が中度より軽度の判定区分である場合は、不適応行動等により
日常生活に著しい制限が認められる場合には、2級の可能性を検討する。
・令和1年6月10日現症〇〇〇〇○○○○○○医師作成の診断書、並びに病歴・就労状況等申立書による請求日当時の状況を上記に照らし合わせて検討する。
〇平成16年頃までは様々な就労を試みるも、いずれも長続きせず職を転々とした。
その原因は対人関係でコミニュケーションが取れないことであり、イライラ、 焦燥感が募り、さらに状況によってはパニックとなり受診せざるを得ないこともあった。
〇平成16年以降は全く就労できていない。平成28年6月以降、社福法人○○県障害者連合会障害者生活支援センター○○園の支援を受けてハローワーク等を通じ就労継続支援事業所A型なども含めて、幅広く就労先を探すも、今に至るまで就労はできておらず、多くは面接や実習に至る前に断念している。
〇保険者意見では「請求人は、単純作業であれば就労可能な状態で、就労意欲があり、就労活動を行っていることが窺え、日常生活に著しい制限がある状態とは認めがたい。」としているが現実は添付の○○園支援員○○様の書面に詳述された通りある。
〇近畿厚生局社会保険審査官原田千賀は「請求人が、審査請求時に添付した資料(「○○○○様就労支援について」)は、日常生活に係る援助の状態がうかがえないことから、審査資料としては採用しないことを申し添える。」としているが長年にわたって請求人の就労に向けて取り組んできた○○園支援員○○様の書面には、就労活動を中心とした本人の日常生活のありようが、支援員と本人並びに母親との会話などを通じて如実に表されている。これを「採用しない」とすることは原決定を墨守するための恣意的な姿勢と言わざるを得ない。
〇「○○○○様 就労支援について」より本人の就労活動や日常生活状況をうかがえる箇所を抜粋し下記する。(マーカーを施した部分)
6月15日母からの電話で「本人は過去のことを聞かれるのが嫌である様子であると。本人は「(自分は)もう死んだほうがいい」等と口にしていると。」
「見学日前日に見学キャンセルの連絡がある」
7月1日「地図を見たがどこにあるかイメージがつかめない、待ち合わせなのか直接行けばいいのか、と。本人へどちらでもよいと伝えるが、決められない様子。」
7月11日「家の用事があるため2週間後が良いと。」
8月5日「本人が家の用事があるように言っていたが、と伝えると母親は知らない様子」
10月4日「本人が『いのちのさと』の利用を迷いパニックになっている。もし利用できずに辞めること対して恐怖感や不安が強いと。書類が郵送されてきたが、「その手続きが自分一人でできなかったことを何度も口に出し「どうせ自分にはできない」と言っていると。
11月14日「自由に水を飲むことができるか不安であると。本人より、ほかに食器洗浄に面接にいく予定であると話がある。」
12月6日「結局食器洗浄の面接にはいかなかったと話がある。」
12月12日「検便はどうやってしたらよいのか聞かれる。今週通院に行くので病院で聞いてくると。」
「相手からもう必要ないと思われる。なんかいらんと。自分はそればかり考えてしまう。」「なんぞいけんときがあると」
1月6日「検便について確認すると、母より「なんやら忘れたやいよったけん、忘れとんやわ」
3月16日「話が決まらずに困っていると。実習日を本人が実習先に電話することになっていた、本人へ連絡をすると伝える」
3月30日「実習日を電話するのか忘れてしまっていた。今週の月曜日からだったら行けたのに、と。事業所に電話してほしいと伝える。
4月20日「本人が死んだほうが良いと言っていると話がある」
4月28日「就労意欲が低下している。」
9月25日「不安感が強く就労への気持ちが少ないように感じられた。」
10月29日「本人がA型の見学等、不安だから行かないと言っている。」
〇診断書の11欄に「単純作業であれば可能」とあるがこれは10欄イに記載の通り「今後は、福祉就労の単純作業しかできず」とのことであるが現症日時点ではそれすら上記の通り実現しておらず今後の見込みも立たない。
〇診断書10欄ウ1(イ)家族に対しても自分から話すことはなく、第三者とのコミュニケーションは無い。
〇診断書11欄 日常生活活動にも支援を要する。
〇申立書より異常行動・日常生活状況
・「死んだほうがいい」と言っている。
・イライラするとも物によくあたる。襖をよく蹴飛ばす。近くにあるものをよく壊す。昔のことを言われると衝動を抑えられない。テレビに鍋を投げて、テレビを壊した。
・その他日常生活の全般にわたり、家族の援助が無ければ生活できず、
単身独居は考えられない。
以上のような状況は、明らかに障害認定基準並びにガイドラインに照らし2級に該当している。
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