うつ病で精神保健福祉手帳3級をお持ちの女性からのお問い合わせ
阿部 久美のブログ

今日は、うつ病で精神保健福祉手帳(3級)をお持ちの女性からご相談いただきました
この女性はうつ病のため3年前から通院をしているそうです。
就労支援継続事業所に通っているそうですが、同じ作業所に通っている人から「同じうつ病で自分は障害年金2級をもらっているからあなたも障害年金2級がもらえるよ。」と聞いたそうです。
そこで、果たしてご自分も手帳は3級でも2級の障害年金が受給できるかという事でお問い合わせいただきました。
障害年金と精神保健福祉手帳の等級は連動しません。
そのため手帳が3級であっても、障害年金は2級が認定される可能性はあります。
障害年金の等級は、あくまでも障害の状態が認定基準に該当するか審査され、決定します。
2級をもらっている人と同じ症状だから同じ等級が認定されるのではありません。
障害の状態が等級に該当する程度であれば受給できます。
- 3級…労働に著しい制限があるもの
- 2級…日常生活に著しい制限があるもの
- 1級…他人の介助がなければほとんど自分の用事を済ませることができないもの
※症状の重さによって等級が分けられています。
※3級が最も症状が軽く、2級、1級になるにつれて症状が重く、また受給額も多くなります。
※3級は障害厚生年金請求の方のみにある等級です。
うつ病の場合、気分・意欲の低下や思考障害などの症状の著明な時期と消失する時期を繰り返すものであり、これが持続したり又は頻繁に繰り返したりするため、日常生活が著しい制限を受けるものは2級に、労働が制限を受けるものは3級に認定されます。
うつ病(気分障害)の認定基準並びに認定の手順は以下の通りです。
うつ病の認定基準
- 1級…高度の気分、意欲・行動の障害及び高度の思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、常時の援助が必要なもの
- 2級…気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、日常生活が著しい制限を受けるもの
- 3級…気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、その病状は著しくないが、これが持続したりまたは繰り返し、労働に制限を受けるもの
精神の障害で審査される主な項目について
日常生活動作、即ち、
- 適切な食事
- 身辺の清潔保持
- 金銭管理と買い物
- 通院と服薬
- 他人との意思伝達及び人間関係
- 身辺の安全保持及び危機対応
- 社会性
の7つの項目についてそれぞれ4段階で評価しその平均と総合評価(日常生活能力の程度)の組み合わせで目安が立てられます。
上記を目安に働けているかどうかや生活環境(一人暮らしができているか)等を考慮して、総合的に判定されます。
一般企業で働いている場合(障害者雇用制度による就労を含む)でも仕事の内容が、管理者や指導員の常時の見守りの下での単純かつ反復的な作業であり、他の従業員との意思疎通が困難で、状況にそぐわない行動がある時は、働いていることをもって日常生活能力が向上したとは見ません。
また、一人で生活している場合であっても親兄弟や生活指導員などが頻繁に訪問し、サポートしている場合には一人暮らしができているとは見なしません。
医師に状況を伝えることが大切です。
上記日常生活の状況(何ができて何ができないのか)や就労状況、一人暮らしの場合は受けているサポートを、診断書作成医にしっかり伝え、診断書の評価に反映してもらうことが大切です。
必要に応じて職場の上司や管理者、肉親や支援員の方に状況を説明する書面の作成をお願いし参考資料として提出する場合もあります。
上記で障害年金と精神保健福祉手帳の等級は連動しませんと書きましたが、正確に言うと障害年金側から精神保健福祉手帳側に対しては連動があります。
精神保健福祉手帳を申請する場合に、専用の診断書で行う場合と併せて、精神の障害による障害年金の年金証書並びに支給通知書で行う方法が定められています。
つまり、精神の障害で障害年金を受給していれば、その証書並びに直近の支給通知書によって精神保健福祉手帳の申請ができ、等級も同じになります。
一方、精神保健福祉手帳側からは障害年金に対しての連動は全くありません。
精神保健福祉手帳の場合、専ら障害の程度のみで手帳取得の可否が決定されるのに対し、障害年金の場合には障害の程度以外にも加入要件や納付要件などを満たす必要があるためです。
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障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
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