「77歳の父は障害年金の請求が可能でしょうか?」というお問い合わせ
阿部 久美のブログ

昨日は、徳島市在住の女性から、「今年77歳の父は障害年金を請求することが出来るでしょうか?」というご質問をいただきました。
お父様は平成18年に心臓の病気で身体障害者手帳3級をお持ちで、さらに3年前に脳梗塞を発症され身体に障害が残られそうです。
現在受給中の老齢年金は基礎年金のみで金額も少ないので、障害年金を請求して年金を増やすことが出来ないだろうかというご相談です。
お気持ちは良くわかりますし同様のご相談をいただくことも多いのですが「極めて難しい」というのが実情です。
公的年金には老齢年金、遺族年金、障害年金の3つがありますが、それぞれに役割分担されています。
老齢(一般的には65歳)になってからの生活を支えるために支給されるのが老齢年金、若くして一家をささえる働き手を亡くした場合に支給される遺族年金、(基本的には)65歳前に障害で社会生活や日常生活に制限が生じた時に支給されるのが障害年金、と言った役割区分がなされています。
その上で、例外的に65歳以降になっても障害年金を請求できる場合が定められています。
65歳以降でも障害年金を申請できる場合
- 初診日が、65歳の2日前までにあり、障害認定日の障害状態が障害等級に該当している場合
- 前発傷病と後発傷病を併せて、65歳前にはじめて2級となった場合
- 初診日において国民年金の任意加入者であった場合
- 初診日において厚生年金加入中であった場合
今回のお父様の場合、該当する可能性があるのは1、のみです。
3年前の脳梗塞による障害は初診日が74歳ですから認定の対象にはなりません。
可能性があるのは平成18年に身体障害者手帳3級を貰う原因となった心疾患です。
平成18年には、お父様は63歳くらいと推定されます。手帳は初診日から6か月以降経過すると請求・発行されますから、心臓での初診日は65歳以前であったと推定されます。
1、まずこの初診日と初診の病院を特定することがすべてのスタートになります。そしてこの初診日に
おいて保険料納付要件を満たしていることが条件です。
2、次に1、で確定した初診日から1年6か月〜1年9か月間に、心疾患での受診があり、その時のカルテが
残っているかを確認します。病院は初診の病院に限りません。
3、カルテがある場合には、それに基づいた診断書を作成してもらいます。請求が可能なのはこの時点
のみでその後悪化しても、悪化した時点での請求という制度はありません。
4、その診断書の内容が、心機能障害の認定基準に該当する場合には、障害認定日に遡って年金請求権が
発生します。
5、初診日から15年前後は経過していますので、国が時効を申し立てるため、現実に受給できるのは
直近5年分で、すでに受給している老齢年金は差し引かれます。
6、今後の年金は老齢基礎年金か障害年金の何れか有利な方を選択します。
カルテの法定保管期限が5年であることも考え合わせると、なかなかハードルが高い請求になります。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
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