雇用保険基本手当と障害年金、老齢年金
阿部 久美のブログ

昨日のブログでお話しした男性は昭和31年生まれで、今年のお誕生日(の前日)で62歳を迎えられます。
今までは、お勤めをしながら2級の厚生年金障害給付と障害基礎年金を受給しておられましたが7月末でお勤め先を退職されました。休職の申し込みをされ、現在雇用保険の基本手当を受給されています。被保険者期間1年以上45歳以上の就職困難者(障害者)のカテゴリーですから受給日数は360日です。
雇用保険の基本手当と障害年金には調整規定はなく、両方とも満額支給されます。
この年代の男性は62歳から特別支給の老齢厚生年金の受給が始まります。特別支給の老齢厚生年金は報酬比例部分のみが支給されますが、この男性の場合、3級以上の障害認定を受けており、厚生年金の被保険者ではありませんので請求すれば障害者特例が適用され定額部分(65歳以降の基礎年金に相当する部分)も支給されます。定額部分は厚生年金加入期間に相当する部分のみですが、この男性の場合20歳から60歳まで全期間厚生年金加入ですから満額となります。さらに、年下の奥様が65歳になるまでは年額約40万円の配偶者加給年金(特別加算を含む)が加算されます。
これらを合わせますと、金額は老齢年金が現在受給中の障害年金を上回ります。65歳未満は、1年金選択ですから金額的には老齢年金選択が有利になりますが、ここで老齢年金を選択すると大変なことになります。
それは折角選択した老齢年金が支給停止になってしまうのです。休職の申し込みをし雇用保険の基本手当を受給中の場合、給付日数分を受給し終えるか受給期間が満了するまでの間は、月の内に1日でも基本手当を受給した場合には特別支給の老齢厚生年金は支給停止される規定になっています。
ですからこの男性の場合には、62歳以降も特別支給の老齢厚生年金は選択せず、障害年金を受給しながら基本手当も受給していただく。昨日請求した1級への額改定が認められれば、その額は、障害者特例を適用した特別支給の老齢厚生年金を上回りますから、ずっと障害年金を受給していただく。若し額改定が認められない場合には、基本手当360日分を受給し終えた時点で、老齢年金に選択替えをしていただくことになります。
それぞれのケースの受給額を年金事務所で試算し、一覧にしてお目にかけ納得いただきました。
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