変形股関節症による人工関節挿入と障害年金
阿部 久美のブログ

今日は変形性股関節症をお持ちの女性からご相談をいただきました。
この女性は3年位前から足の痛みがひどくなり整形外科を受診したところ変形股関節症と診断されました。
保険会社にお勤めで長く営業の仕事を続けてこられ、今も、営業職に就いておられるのですが、徐々に痛みが激しくなり階段の昇降も難しくなりました。その為、近々、右股関節を人工関節に置換してもらう予定でだそうで、障害年金は人工関節を入れたらもらえますかというご相談です。
人工骨頭または人工関節をそう入置換した場合の障害年金
以下のものについては原則として3級と認定されます。
- 一下肢の3大関節中1関節以上に人工骨頭または人工関節をそう入置換したもの
- 両下肢の3大関節中1関節以上にそれぞれ人工骨頭または人工関節をそう入置換したもの
また、障害認定日は、
- 人工骨頭または人工関節をそう入置換した日
- 初診日から起算して1年6月を経過した日
のいずれか早い方となります。
この女性の場合は変形性股関節症の初診日には厚生年金加入ですので、人工股関節をそう入置換されれば障害厚生年金3級を受給することができます。
そう入後、今まで通り働いたとしても障害年金が支給停止されることはありません。また、通常、人工関節置換の場合には永久認定とされるケースが多いので、更新の心配もありません。
では、先々、もう一方の股関節をも人工関節に置換された場合には、等級は2級に上がるのでしょうか?
両下肢それぞれに人工関節を行った場合、以下の要件のすべてを満たした場合には、2級以上に認定することとされています。
両下肢に人工骨頭または人工関節をそう入置換した場合
- 立ち上がる、歩く、片足で立つ、階段を登る、階段を下りるなどの日常生活動作が、実用性に乏しいほど制限されていること。例えば、日常生活動作の多くが一人で全くできないか、または必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、非常に困難であること。
- 下肢障害の主な原因および程度評価の根拠が、自覚症状としての疼痛のみによるものではなく、医学的、客観的にその障害を生ずるに妥当なものであること。
- 下肢の障害の状態が、行動量、気候、季節などの外的要因により一時的に大きく変動するものではなく、永続性を有すること。
この状態になると、流石に今まで通り働くことは難しいかもしれませんが、誰かの力を借りるなどして、仮に働き続けたとしても、そのことを原因に支給停止されたり等級がダウンすることはありません。
最後に、ご質問の内容からは外れますが、両下肢それぞれに人工関節を置換し上記の要件のすべてを満たして2級以上に認定される場合は、初診日に厚生年金に加入している必要はありません。
仮に2号被保険者の配偶者で専業主婦(3号被保険者)であっても、自営業などの1号被保険者であっても、初診日に保険料納付要件さえ満たしていれば障害基礎年金の請求ができ、2級から年金支給の対象となります。
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