アルコール性肝硬変の男性の厚生年金障害給付、障害基礎年金2級が決定
阿部 久美のブログ

今日は朝一番に年金事務所に行き、私がサポートさせていただき6月下旬に厚生年金障害給付の請求を提出していた男性の審査進捗状況を確認してきました。9月25日付で2級の障害年金が決定していました。
最初の支払予定は11月15日で、この日には障害認定日の属する月の翌月である平成30年10月分以降の年金が一括して支払われます。
この男性は、会社に勤務していた約2年半前、健康診断で肝機能の異常を指摘され総合病院を受診したところ、アルーコールの影響による肝臓がんとの診断を受けました。直ちに入院して断酒と抗がん剤投与を開始、2か月後にはラジオ波焼灼療法を施行されました。
その後も何度か入退院を繰り返したのち、今年3月15日からは職場に復帰されました。とはいえ以前の様には働けず、将来への不安もあるため障害年金の請求を決意されました。
肝疾患での重症度判定は以下の検査項目や臨床所見で行われます。
検査項目/臨床所見 基準値 中等度の異常 高度異常
血清総ビリルビン 0.3-1.2 2.0以上3.0以下 3.0超
血清アルブミン 4.2-5.1 3.0以上3.5以下 3.0未満
血小板数 13-15 5以上10未満 5未満
プロトロンビン時間 70超〜130 40以上70以下 40未満
腹水 腹水あり 難治性腹水あり
脳症 1度 2度以上
また、この男性のようにアルコールが原因の場合には「継続して必要な治療を行っていること及び検査日より前に180日以上アルコールを摂取していないことについて、確認できた者に限り、認定を行うものとする」とされています。
この男性の場合は、必要な治療を行っており、180日以上アルコールを摂取していないことは診断書面で明らかでした。
ご相談を受けて請求を準備する段階で、障害認定日から1年は経過していませんでしたので、ポイントは本来請求(障害認定日から1年以内に行う障害認定日請求)を行うか事後重症(請求時点でのカルテに基づく診断書での請求)での請求とするかでした。その決断の為に、障害認定日以降請求時点に至る検査結果を全て取寄せて頂き検討しました。
その結果障害認定日時点において、血清総ビリルビン、血清アルブミン、プロトロンビン時間の3つの項目が中等度以上の異常を示しており、かつ入院状態であることから認定日請求とし、認定日から3か月間のいずれかの診察日の状態で診断書をお願いしました。
すると、診断書作成医から直接お電話があり「ご本人の状態は診断書作成依頼があった障害認定日当時より現在の方が悪化しているが、何故現在の状態で診断書を作成しないのか?」とのご質問がありました。
現在の時点での診断書での請求では、今後の年金しか受給できないが、障害認定日時点の検査結果を拝見するとその時点でも2級に該当する可能性高く、障害認定日時点での診断書で請求して認められればそこに遡って年金が受給できるため、障害認定日時点での診断書をお願いしている旨をお話しし、納得いただきました。
想定どおり、障害認定日に遡っての2級決定となりホッとしました。障害認定日において権利が発生しましたからその1年後の翌日からは1級への額改定請求も可能であり、既にその時期に入っています。ご本人と相談しながら、この可能性を検討したいと思います。
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